[自作日記7] AI用GPUの選定

[自作日記7] AI用GPUの選定

今回は、AIに適したグラフィックボード(GPU)の選定をします。

本編に行く前に、グラフィックボードとGPUの違いについて整理しておきましょう

グラフィックボードは、コンピューターで画像処理やAIの計算を担当する重要なハードウェアで パソコンのPCI Express のスロットに挿入して使用するのが一般的です。

一方 GPU はグラフィックボードの主要な構成要素の1つで、グラフィックボードは以下のようなコンポーネントで構成されています。

  1. GPUチップ - グラフィック処理の中心で、複雑な数学的計算を高速に実行します。
  2. VRAM(ビデオRAM) - GPUが直接アクセスする専用メモリで、ディープラーニングでは、パラメータ(重みやバイアス)や計算過程を保持する役割があり非常に高速に動作します。
  3. 冷却システム - GPUが生成する熱を効果的に放散するためのファンやヒートシンク。

グラフィックボードとGPUを同一視して書いている記事も多く、私たちもあまり厳密に分けて書いていないですが、実体としては↑のような感じですね。

さて、それでは Jun さんの買い物の続きをみていきましょう。


肉の万世本店はやっぱり最高でした。

2階でハンバーグを食べてきましたが、出世したら3階、4階のレストランも行ってみたい。あと、1階のパーコー麵にもチャレンジしてみたいです。麵が上下してるあのオブジェ?も楽しいですね。
(なぜか、いつも2階ばかり行ってしまうんですよね。)

おなかもいっぱいになったので、これから今日の目玉のGPUを買いに行きたいと思います。

とその前に、今まで買ったものを整理しておきます

だいたい12.5万円を使ったので、のこり32.5万円くらいあります。GPUは良いものを買えそうです!

GPUを買いにお店へ!

AIをやるなら、間違いなく NVIDIA の GPU です。

どれにしようかなー、と探し始めましたが、拍子抜けするくらい簡単に決まりました。

その理由は簡単。

ディープラーニング、とりわけLLMをやる場合に一番重要なのは VRAM の量つまりGPUのメモリ容量です。

そして、ここ秋葉原で売っているGPUは通常コンシューマー向けのGPUなので、VRAMの上限は決まっています。

そうです、 NVIDIA の GeForce 3090 か GeForce 4090 を搭載したグラフィックボードが VRAM 24 GBytes で最大なのです。つまりこのどちらかしか選択肢にないといってもいいでしょう。

この下のモデルになるといきなり VRAM が 16GBytes になってしまいます。

もともと、コンシューマ向けGPUというのは、3Dゲーム用途がほとんどであるため、24GBytes もVRAMがあれば十分ということなのでしょう。

ということで、もう3090か4090のどちらかで決めることにしました。

さて、この2つからの選択もほぼ迷いませんでした。

なぜなら、残りの資金が30万円弱だったのですが、4090のほうはのきなみ30万円以上の価格設定。残り資金を全部つかってしまったら電源など残りのパーツが買えません。

ということで、コンシューマ向けでメモリが一番多く、お値段も手が出るものという現実的な条件で、 GeForce 3090 搭載の以下のグラフィックボードを購入しました。

MSI SUPRIM X GeForce RTX 3090 Ti

約20万円で購入しました。今日一番高い買い物です。

買い出し用にコストコの巨大袋をもってきましたが、マザーボードの箱とグラボの箱ですでに、だいぶキツキツです。

三ツ矢サイダーの缶とくらべてわかるとおり箱がかなりでかく、高価なモノを買った感があります。

袋にはいってるのは、ざっとこんなかんじ。

コストコの袋に入ってるもの

胃袋に入ってるもの

万世コンボ+和食セット 約2千円

残金は 45-12.5-20 = 12.5 万円です。

いったん荷物を置きに会社に戻り、
残金で、残りのパーツである 電源、SSD、ケース を購入したいとおもいます。


今回はいかがでしたでしょうか。Jun さんは無事GPUをゲットできました。

次回は電源、SSD、ケースの購入をする予定です!お楽しみに!


navigation

Read more

Node.jsで大容量ファイルを扱う:AIモデルのような大きなデータ保存はストリーム処理使いましょう

Node.jsで大容量ファイルを扱う:AIモデルのような大きなデータ保存はストリーム処理使いましょう

こんにちは!今日はAIシステムのフロントサーバーとしてもよく使用するNode.jsについてのお話です。 AIモデルの普及に伴い、大容量のデータファイルを扱う機会が急増しています。LLMなどのモデルファイルやトレーニングデータセットは数GB、場合によっては数十、数百GBにも達することがあります。 一方、Node.jsはWebアプリケーションのフロントサーバーとして広く採用されており、データマネジメントやPythonで書かれたAIバックエンドとの橋渡し役としてもかなりお役立ちな存在です。 本記事では、Node.js v20LTSで5GB程度のファイルを処理しようとして遭遇した問題と、その解決方法について解説します。 Node.jsのバッファサイズ制限の変遷 Node.jsのバッファサイズ制限は、バージョンによって大きく変化してきました Node.jsバージョン サポート終了日 バッファサイズ上限 備考 Node.js 0.12.x 2016年12月31日 ~1GB 初期のバッファサイズ制限(smalloc.kMaxLength使用) Node.js 4.

By Qualiteg プロダクト開発部
AGI時代に向けたプログラマーの未来:役割変化とキャリア戦略

AGI時代に向けたプログラマーの未来:役割変化とキャリア戦略

はじめに 私がはじめてコードを書いたのは1989年です。 当時NECのPC88というパソコンを中古でかってもらい N-88 Basic というBASIC言語のコードをみようみまねで書いて動かしたあの日から何年経つのでしょうか。 当時、電波新聞社のマイコンBASICマガジンという雑誌があり、ベーマガにはいろんなパソコン向けのプログラムコードが掲載されていました。 そんなわけでもう35年以上趣味や仕事でプログラミングに従事していますが、開発環境、情報流通の仕組みには革命といっていいほどの変化、進化がおこりました。 しかしながら、そんな中でも、あくまでコードを書くのは「私」という生身の人間でした。 そうしたある種の古き良き時代は、いよいよ本格的に終わりを告げようとしています。 2023年ごろからのLLM技術の飛躍的進歩により、プログラミング業界は大きな転換期を迎えています。 特に、OpenAI o3,o1やClaude 3.5、Gemini2.0などの大規模言語モデル(LLM)の進化や、その先にある将来的な汎用人工知能(AGI)の出現は、プログラマーやAIエンジニアの役割に根

By Tomonori Misawa / CEO
PythonとWSL開発のトラブルシューティング: PyCharmとCondaの環境不一致問題

PythonとWSL開発のトラブルシューティング: PyCharmとCondaの環境不一致問題

こんにちは! 今回は、WSL上のConda環境をPyCharmから利用する際に発生した「同じ環境なのにパッケージリストが一致しない」という問題に遭遇したため、その原因と対策について書いてみたいとおもいます 問題の状況 開発の流れは以下のようなものでした 1. WSL環境でConda仮想環境を作成 2. その環境をPyCharmのプロジェクトインタプリタとして設定 3. 開発を進める中で奇妙な現象に気づく 具体的には、次のような不一致が発生していました * PyCharmのプロジェクト設定で表示されるpipパッケージのリスト * WSLでConda環境をアクティベートした後にpip listコマンドで表示されるパッケージのリスト これらが一致せず、「WSL側のシェルから直接インストールしたパッケージがPyCharmで認識されない」という問題が生じていました。 この手の問題でよくある原因は、PyCharm側がWSL側の更新を得るのに少し時間がかかったり、 Indexing が遅れているなどなのですが、今回はそれが原因ではありませんでした。 危険な「静かな

By Qualiteg プロダクト開発部
人気ゲーム「ヒット&ブロー」で学ぶ情報理論

人気ゲーム「ヒット&ブロー」で学ぶ情報理論

こんにちは! Qualiteg研究部です! 今日はAIにおいても非常に重要な情報理論について、Nintendo Switchの人気ゲーム「世界のアソビ大全51」にも収録されている「ヒット&ブロー」というゲームを題材に解説いたします! はじめに 論理的思考力を鍛える定番パズルゲームとして長年親しまれている「ヒット&ブロー」(海外では「Mastermind」として知られています)。 このゲームは一見シンプルながらも、その攻略には深い論理的アプローチが必要とされております。 本稿では、このゲームについて情報理論という数学的概念を用いてゲームの素性を分析する方法について掘り下げてみたいとおもいます。 さらに、この情報理論が現代の人工知能(AI)技術においてどのように活用されているかについても触れていきます。 ヒット&ブローのルール説明 ヒット&ブローは、相手が秘密に設定した色や数字の組み合わせを推測するゲームです。日本では主に数字を使った「数当てゲーム」として親しまれていますが、本記事では色を使ったバージョン(マスターマインド)に焦点を当てます。 Nintendo Sw

By Qualiteg 研究部