日本語対応 LLMランキング2025 ~ベンチマーク分析レポート~

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日本語対応 LLMランキング2025 ~ベンチマーク分析レポート~

はじめに 本レポートは、Nejumi Leaderboard 4のベンチマークデータ(2025/10/11版)に基づいて、日本語対応LLMの性能を総合的に分析したものです。 Nejumi Leaderboard 4は、日本語タスクにおけるLLMの性能を多角的に評価する信頼性の高いベンチマークとして知られています。 本分析では、総合スコアとコーディングスコアの2つの観点から、商用APIモデルとオープンモデルの両方を対象に、それぞれの特徴や傾向を詳しく見ていきます。 オープンソースモデルについて Weightがオープンなモデルは場合によっては「オープンソースモデル」、「OSSモデル」と呼ばれますが、モデルによっては「オープンソース」と呼ぶには不十分な場合があるため本稿では、「オープンソースモデル」ではなく「オープンモデル」と表現しています。 ベンチマーク分析について 本レポートは、LLM選択の参考情報として、ベンチマークデータから読み取れる傾向や特徴を提示するものです。最終的なモデル選択においては、これらの情報を踏まえつつ、実際の使用環境での検証を行うことをおすすめいたし

By Qualiteg コンサルティング, Qualiteg プロダクト開発部

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使い捨てソフトウェア時代の幕開け ― 市場構造の根本的変革と日本企業

生成AI最前線

使い捨てソフトウェア時代の幕開け ― 市場構造の根本的変革と日本企業

こんにちは、株式会社Qualiteg コンサルティング部門です。 昨今、生成AIの急速な進化により、ソフトウェア開発の在り方が根本から変わりつつあります。2024年にはClaude、GPT-4、Geminiなどの大規模言語モデルがコード生成能力を飛躍的に向上させ、GitHub CopilotやCursor、Windsurf等の開発支援ツールが実際の開発現場で広く活用されるようになりました。さらに、Devin、OpenAI Canvas、Anthropic Claude Codingといった、より高度な自律的コーディング機能を持つAIエージェントも登場しています。 このような技術革新を背景に、当部門では今後のソフトウェア産業の構造変化について詳細な分析を行いました。本シリーズでは、特に注目すべき変化として、従来1000人月規模を要していた企業向けSaaSプラットフォームや、基幹システムが、AIエージェントを効果的に活用することで、わずか2-3名のチームが数日から数週間で実装可能になるという、開発生産性の劇的な向上について考察してまいります。 これは単なる効率化ではなく、ソフトウェア

By Qualiteg コンサルティング
NVIDIA GeForce RTX 50xx with CUDA capability sm_120 is not compatible with the current PyTorch installation. が発生したとき

PyTorch

NVIDIA GeForce RTX 50xx with CUDA capability sm_120 is not compatible with the current PyTorch installation. が発生したとき

こんにちは、PyTorch 2.6.0 環境で以下のような問題が発生したときの対処方法について解説いたします。 NVIDIA GeForce RTX 5090 with CUDA capability sm_120 is not compatible with the current PyTorch installation. The current PyTorch install supports CUDA capabilities sm_50 sm_60 sm_70 sm_75 sm_80 sm_86 sm_90. 他のBlackwell GeForce の場合は以下のようなメッセージとなります。 NVIDIA GeForce RTX

By Qualiteg プロダクト開発部
OpenCV cv2.imwrite で発生する「_img.empty()」エラーと「動画安定化」による解決法

日々の開発Tips

OpenCV cv2.imwrite で発生する「_img.empty()」エラーと「動画安定化」による解決法

こんにちは! 画像処理や動画解析の現場で広く利用されている OpenCV。 しかし実務で動画処理を行っていると、時折以下のようなエラーに遭遇することがあります。 cv2.error: OpenCV(4.11.0) /io/opencv/modules/imgcodecs/src/loadsave.cpp:929: error: (-215:Assertion failed) !_img.empty() in function 'imwrite' このエラーは、cv2.imwrite() に渡された画像が空(None またはサイズ0) の場合に発生します。 一見単純に見える問題ですが、背後には「入力動画の不安定さ」や「並列処理の競合」といった要因が潜んでいることが少なくありません。 本記事では、このエラーの発生原因を掘り下げ、実務で効果のある解決策として 「動画の安定化(正規化)」 を紹介します。 TL;

By Qualiteg プロダクト開発部
発話音声からリアルなリップシンクを生成する技術 第5回(前編):Transformerの実装と実践的な技術選択

AI数理

発話音声からリアルなリップシンクを生成する技術 第5回(前編):Transformerの実装と実践的な技術選択

こんにちは!リップシンク技術シリーズもいよいよ終盤となりました。 前回(第4回)では、LSTMの学習プロセスと限界について詳しく解説しました。限られたデータでも効果的に学習できるLSTMの強みを理解する一方で、長距離依存の処理に限界があることも明らかになりました。そして、この問題を解決する革新的なアプローチとして、すべての位置の情報を同時に参照できるTransformerのSelf-Attention機構を紹介しました。 第5回の今回は、 Transformerの具体的なネットワーク設計から始め、その実装上の課題を明らかにします。(前編※) そして、LSTMとTransformerの長所を組み合わせたハイブリッドアプローチを紹介し、実際の製品開発における技術選択の指針を示します。最後に、感情表現への拡張という次なる挑戦についても触れていきます。(後編※) ※Transformerの仕組みは複雑であるため、第5回は前編と後編に分けて解説させていただく予定です。 1. Transformerベースのネットワーク設計 1.1 全体アーキテクチャ図 では、さっそく、Tran

By Qualiteg 研究部, Qualiteg コンサルティング
大企業のAIセキュリティを支える基盤技術 - 今こそ理解するActive Directory 第2回 ドメイン環境の構築

IT & AIテクノロジー

大企業のAIセキュリティを支える基盤技術 - 今こそ理解するActive Directory 第2回 ドメイン環境の構築

こんにちは、今回はシリーズ第2回ドメイン環境の構築 - 検証環境の構築手順について解説いたします! 連載の構成 第1章:基本概念の理解 - Active DirectoryとKerberos/NTLM認証の基礎 【★今回です★】第2章:ドメイン環境の構築 - 検証環境の構築手順 第3章:クライアントとサーバーのドメイン参加 - ドメイン参加の詳細手順 第4章:プロキシサーバーと統合Windows認証 第5章:ブラウザ設定と認証 - 各ブラウザでの設定方法 第6章:トラブルシューティング - よくある問題と解決方法 第7章:セキュリティとベストプラクティス - 本番環境での考慮事項 第8章:実践的な構成例 - AIセキュリティツールとの統合事例 第2章:ドメイン環境の構築 2.1 ドメイン名の設計 2.1.1 ドメイン名の命名規則 Active Directoryを構築する際、

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AIがよく間違える「クロージャ問題」の本質と対策

日々の開発Tips

AIがよく間違える「クロージャ問題」の本質と対策

こんにちは! 本日は「クロージャ問題」に関する話題となります。 Pythonでループ内に関数を定義したことはありますか? もしあるなら、あれれ?な挙動に遭遇したことがあるかもしれません。 本稿では、Pythonプログラマーなら一度は経験する「クロージャ問題」について、初心者にもわかりやすく解説してみたいとおもいます クロージャとは何か? そもそも ”クロージャ” とは何でしょうか。 クロージャ(closure)とは、関数が自分の定義されたスコープの変数を覚えて持ち運ぶ仕組み のことです。 もう少し分解すると、次の2つがポイントとなります 1. 内側の関数が、外側の関数の変数を使える 2. 外側の関数が終了しても、その変数は生き続ける 普通の関数とクロージャ―を使った関数を比較してみましょう 普通の関数との比較 まずは普通の関数から、 def add(x, y): return x + y print(add(3, 5)) # 8 print(add(3, 7)

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フリーランスHub様にQualiteg Blogをご紹介いただきました

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フリーランスHub様にQualiteg Blogをご紹介いただきました

この度、フリーランス向け案件検索サービス「フリーランスHub」様の特集記事「トレンドをキャッチアップ!AIに関する情報が得られるメディア・ブログまとめ」にて、弊社が運営する「Qualiteg Blog」をご紹介いただきました。 掲載記事について フリーランスHub様の記事では、AI技術の最前線で活躍するエンジニアや開発者の方々に向けて、価値ある情報源となるメディア・ブログが厳選して紹介されています。 その中で、Qualiteg Blogを「AI技術の専門知識を実践的なビジネス活用につなげる貴重な情報源」として取り上げていただきました。 特に以下の点を評価いただいております * 実践的なビジネス活用事例の提供 AI新規事業創出や事業選定方法など、経営者やビジネスリーダーが直面する課題への具体的な解決策 * 技術的な深掘りコンテンツ リップシンク技術など、実際のサービスで使用されている技術の開発現場目線での詳細な解説 * 多様な情報発信 代表執筆記事、AIトピックス、講演会動画など、幅広いフォーマットでの情報提供 今後も価値ある情報発

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PyTorchの重いCUDA処理を非同期化したらメモリリークした話と、その解決策

日々の開発Tips

PyTorchの重いCUDA処理を非同期化したらメモリリークした話と、その解決策

こんにちは!Qualitegプロダクト開発部です! 今回は同期メソッドを非同期メソッド(async)化しただけなのに、思わぬメモリリーク※に見舞われたお話です。 深層学習モデルを使った動画処理システムを開発していた時のことです。 「処理の進捗をリアルタイムでWebSocketで通知したい」という要件があり、「単にasync/awaitを使えばいいだけでしょ?」と軽く考えていたら、思わぬ落とし穴にはまりました。 プロ仕様のGPUを使っていたにも関わらず、メモリ不足でクラッシュしてしまいました。 この記事では、その原因と解決策、そして学んだ教訓を詳しく共有したいと思います。同じような問題に直面している方の参考になれば幸いです。 ※ 厳密には「メモリリーク」ではなく「メモリの解放遅延」ですが、 実用上の影響は同じなので、この記事では便宜上「メモリリーク」と表現します。 背景:なぜ進捗通知は非同期である必要があるのか モダンなWebアプリケーションの要求 最近のWebアプリケーション開発では、ユーザー体験を向上させるため、長時間かかる処理の進捗をリアルタイムで表示することが

By Qualiteg プロダクト開発部
ゼロトラスト時代のLLMセキュリティ完全ガイド:ガーディアンエージェントへの進化を見据えて

LLM セキュリティ

ゼロトラスト時代のLLMセキュリティ完全ガイド:ガーディアンエージェントへの進化を見据えて

こんにちは! 今日はセキュリティの新たな考え方「ゼロトラスト」とLLMを中心としたAIセキュリティについて解説いたします! はじめに 3つのパラダイムシフトが同時に起きている いま、企業のIT環境では3つの大きな変革が起ころうとしています。 1つ目は「境界防御からゼロトラストへ」というセキュリティモデルの転換。 2つ目は「LLMの爆発的普及」による新たなリスクの出現。 そして3つ目は「AIエージェント時代の到来」とそれに伴う「ガーディアンエージェント」という新概念の登場です。 これらは別々の出来事のように見えて、実は密接に関連しています。本記事では、この3つの変革がどのように結びつき、企業がどのような対策を取るべきかを解説いたします 目次 1. はじめに:3つのパラダイムシフトが同時に起きている 2. 第1の変革:ゼロトラストという新しいセキュリティ思想 3. 第2の変革:LLM時代の到来とその影響 4. 第3の変革:AIエージェントとガーディアンエージェント 5. 3つの変革を統合する:実践的なアプローチ 6. 実装のベストプラクティス 7. 日本

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発話音声からリアルなリップシンクを生成する技術 第4回:LSTMの学習と限界、そしてTransformerへ

AI数理

発話音声からリアルなリップシンクを生成する技術 第4回:LSTMの学習と限界、そしてTransformerへ

1. 位置損失 (L_position) - 口の形の正確さ 時間 口の開き 正解 予測 L_position = Σᵢ wᵢ × ||y_pred - y_true||² 各時点での予測値と正解値の差を計算。重要なパラメータ(顎の開き、口の開き)には大きな重みを付けます。 jaw_open: ×2.0 mouth_open: ×2.0 その他: ×1.0 2. 速度損失 (L_velocity) - 動きの速さ 時間 速度 t→t+1 v = y[t] -

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大企業のAIセキュリティを支える基盤技術 - 今こそ理解するActive Directory 第1回 基本概念の理解

IT & AIテクノロジー

大企業のAIセキュリティを支える基盤技術 - 今こそ理解するActive Directory 第1回 基本概念の理解

こんにちは! 今回から数回にわたり Active Directory について解説してまいります。 Active Directory(AD:アクティブディレクトリー)は、Microsoft が開発したディレクトリサービスであり、今日の大企業における IT インフラストラクチャーにおいて、もはやデファクトスタンダードと言っても過言ではない存在となっており、組織内のユーザー、コンピューター、その他のリソースを一元的に管理するための基盤として広く採用されています。 AIセキュリティの現実:単独では機能しない ChatGPTやClaudeなどの生成AIが企業に急速に普及する中、「AIセキュリティ」という言葉が注目を集めています。情報漏洩の防止、不適切な利用の検知、コンプライアンスの確保など、企業が取り組むべき課題は山積みです。 しかし、ここで注意しなければいけない事実があります。それは、 AIセキュリティソリューションは、それ単体では企業環境で限定的な効果しか期待できない ということです。 企業が直面する本質的な課題 AIセキュリティツールを導入する際、企業のIT部門

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自治体総合フェア2025に出展いたしました

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自治体総合フェア2025に出展いたしました

こんにちは! 先週開催された自治体総合フェア2025に出展いたしましたので、写真で様子をふりかえりながら簡単にレポートいたします! 自治体総合フェア2025 開催概要 自治体総合フェアは公民連携の総合展示会で今年はは2025/7/16~18まで東京ビッグサイトにて開催されました。 株式会社 Qualiteg の出展内容 当社からは4名体制でAIアバター動画生成サービス「MotionVox™」をはじめ、LLMセキュリティソリューション「LLM-Audit™」、企業・自治体向けセキュアチャットサービス「Bestllam🄬」の展示をさせていただきました。 デモ内容 当日のご紹介内容の一部をご紹介いたします MotionVox™ MotionVox は、まるで、本物の人間のようなフォトリアリスティックなアバター動画を生成するサービスです。 これまでから機能を大幅拡張した MotionVox 2.0 をお披露目いたしました。 MotionVox 2.0では、以下のようなフィーチャーを追加いたしました! * まるで人間! リアリティをさらに向上したアバター *

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