LLMサンプリングにおける3つのペナルティ

LLMサンプリングにおける3つのペナルティ
Photo by Ivan Torres / Unsplash

こんにちは!(株)Qualiteg プロダクト開発部です!

今日の昼食はみんなでイタリアンレストランに行きました。3種のチーズピザが好評でした。

さて、本日はLLMにおける3種のチーズならぬ、3種のペナルティをご紹介します。

ChatStreamでは、ペナルティを含む、多彩なプリセットサンプリングアルゴリズムを搭載しています。モデルや目的にあったサンプリングを行うことで、より自然な応答生成を行うことができます。

テキスト生成におけるペナルティの役割

自然言語処理(NLP)、LLMの世界で重要な概念の一つである「ペナルティ」とは何でしょうか。

ペナルティとは?

ペナルティとは、LLMがテキストを生成する際に特定のトークン(単語や文字列)の出現を調整するために使用される仕組みのことです。

テキスト生成モデルが自然で多様な文章を作り出すためには、同じ単語やフレーズが何度も繰り返されるのを防ぐ必要があります。そこで登場するのが、ペナルティです。

LLMが同じような文章、単語を何度も生成してしまうことはわりと頻繁に起こりますので、適切なペナルティを設定します。

ペナルティの種類

テキスト生成におけるペナルティにはいくつかの種類がありますが、今回は特に重要な3つのペナルティについて説明します。

  • Repetition Penalty:
    • 範囲: 繰り返し出現するすべてのトークンやフレーズ。
    • ペナルティ基準: すべての過去のトークンに基づく。
    • 使用例: 過去に生成されたトークンすべてに対して、ペナルティを適用。
  • Frequency Penalty:
    • 範囲: 特定のトークンの出現頻度。
    • ペナルティ基準: 各トークンの出現回数に基づく。
    • 使用例: 生成中に特定のトークンが何回生成されたかを追跡し、その頻度に基づいてペナルティを適用。
  • Presence Penalty:
    • 範囲: 一度でも生成されたトークン。
    • ペナルティ基準: トークンが一度でも生成されたかどうかに基づく。
    • 使用例: すでに生成されたトークンに対して、再出現時にペナルティを適用。

ペナルティの実装

では、実際にペナルティを実装していきましょう。

ChatStream のサンプリングクラスとしてペナルティを実装する

サンプリングクラスは AbstractLogitsProcessor をオーバーライドします。

from chatstream.token_samplers.logits_processor import AbstractLogitsProcessor

AbstractLogitsProcessorはシンプルな抽象クラスで、以下のようになっています。


from abc import ABC, abstractmethod


class AbstractLogitsProcessor(ABC):
    @abstractmethod
    def process(self, logits, params):
        pass

    @abstractmethod
    def get_name(self):
        pass

Repetition Penalty

さっそく、Repetition Penalty を実装してみましょう。

計算手法として乗算型と減算型の二種類を指定できるようにしており、あるトークンがすでに生成された場合、そのトークンのログ確率をペナルティ値で割る(乗算)か、ペナルティ値を引く(減算)というオペレーションを実装していますい。すべての過去のトークンが対象となります。

from chatstream.token_samplers.logits_processor import AbstractLogitsProcessor


class RepetitionPenaltyProcessor(AbstractLogitsProcessor):
    """
    繰り返しのトークンに対してペナルティを適用するプロセッサ。

    このクラスは、過去に使用されたトークンのlogitsを調整することで、繰り返しの出現を抑制する。
    ペナルティの適用方法は、乗算または減算のいずれかで、パラメータで指定できる。

    乗算ペナルティ計算の基本は logits[token_id] /= penalty で、過去に出現した token_id のロジット値を減らしていき
    出現確率を下げることで繰り返し同じトークンが出力されることを抑制する

    """

    def __init__(self):
        pass

    def process(self, logits, params):

        past_tokens = params.get("past_tokens", None)
        penalty = params.get("penalty", None)
        penalty_method = params.get("penalty_method", "multiplicative")

        # 過去のトークンのlogitsにペナルティを適用
        if penalty is not None and past_tokens is not None:
            # logitsのコピーを作成(引数として渡されたlogitsの非破壊保証)
            adjusted_logits = logits.clone()
            # penaltyの値の型を確認する
            if not isinstance(penalty, (int, float)):
                raise ValueError(f"penalty should be a scalar value, but got {penalty}({type(penalty)})")

            # ペナルティの適用方法に応じてlogitsを更新する
            if penalty_method == "multiplicative":
                if penalty != 1.0:
                    for token_id in set(past_tokens):
                        adjusted_logits[token_id] /= penalty

            elif penalty_method == "subtractive":
                for token_id in set(past_tokens):
                    adjusted_logits[token_id] -= penalty
            else:
                raise ValueError(f"Unknown penalty_method: {penalty_method}")
        else:
            adjusted_logits=logits

        return {"name": "RepetitionPenaltyProcessor", "type": "logits", "logits": adjusted_logits}


    def get_name(self):
        return "rep_penalty"

Frequency Penalty

Frequency Penaltyは以下のようになります。

トークンが出現するたびに、各トークンの出現回数に基づきそのトークンのログ確率をペナルティ値で累積的に割る(乗算)か、ペナルティ値を累積的に引く(減算)というオペレーションを実装しています。

class FrequencyPenaltyProcessor(AbstractLogitsProcessor):
    """
    生成されたトークンの出現頻度に基づいてペナルティを適用するプロセッサ。

    このクラスは、生成中に各トークンが出現した回数を追跡し、頻繁に出現するトークンにペナルティを適用する。
    ペナルティの適用方法は乗算または減算のいずれかで、パラメータで指定できる。
    """

    def __init__(self):
        self.token_counts = {}

    def process(self, logits, params):
        penalty = params.get("penalty", None)
        penalty_method = params.get("penalty_method", "multiplicative")

        # logitsのコピーを作成
        adjusted_logits = logits.clone()

        if penalty is not None:
            if not isinstance(penalty, (int, float)):
                raise ValueError(f"penalty should be a scalar value, but got {penalty}({type(penalty)})")

            for token_id, count in self.token_counts.items():
                if penalty_method == "multiplicative":
                    adjusted_logits[token_id] /= (penalty ** count)
                elif penalty_method == "subtractive":
                    adjusted_logits[token_id] -= (penalty * count)
                else:
                    raise ValueError(f"Unknown penalty_method: {penalty_method}")

        return {"name": "FrequencyPenaltyProcessor", "type": "logits", "logits": adjusted_logits}

    def update_token_counts(self, token_ids):
        for token_id in token_ids:
            if token_id in self.token_counts:
                self.token_counts[token_id] += 1
            else:
                self.token_counts[token_id] = 1

    def get_name(self):
        return "freq_penalty"

Presence Penalty

Presence Penalty は以下のようになります。

トークンが一度でも生成されたかどうかに基づき一度生成されたトークンのログ確率をペナルティ値で割る(乗算)か、ペナルティ値を引く(減算)というオペレーションを実装しています。

class PresencePenaltyProcessor(AbstractLogitsProcessor):
    """
    生成されたトークンの存在に基づいてペナルティを適用するプロセッサ。

    このクラスは、特定のトークンがすでに出現しているかどうかを追跡し、存在するトークンにペナルティを適用する。
    ペナルティの適用方法は乗算または減算のいずれかで、パラメータで指定できる。
    """

    def __init__(self):
        self.seen_tokens = set()

    def process(self, logits, params):
        penalty = params.get("penalty", None)
        penalty_method = params.get("penalty_method", "multiplicative")

        # logitsのコピーを作成
        adjusted_logits = logits.clone()

        if penalty is not None:
            if not isinstance(penalty, (int, float)):
                raise ValueError(f"penalty should be a scalar value, but got {penalty}({type(penalty)})")

            for token_id in self.seen_tokens:
                if penalty_method == "multiplicative":
                    adjusted_logits[token_id] /= penalty
                elif penalty_method == "subtractive":
                    adjusted_logits[token_id] -= penalty
                else:
                    raise ValueError(f"Unknown penalty_method: {penalty_method}")

        return {"name": "PresencePenaltyProcessor", "type": "logits", "logits": adjusted_logits}

    def update_seen_tokens(self, token_ids):
        self.seen_tokens.update(token_ids)

    def get_name(self):
        return "presence_penalty"

他のサンプリングパラメータとペナルティ

さて、他のサンプリングパラメータとの関係についてもみておきましょう。

まず、上のように実装したペナルティのおさらいですが、

ペナルティ

  1. Repetition Penalty: 特定のトークンやフレーズの繰り返しを防ぎます。
  2. Frequency Penalty: 生成されたトークンの出現頻度に基づいてペナルティを適用し、頻繁に出現するトークンを抑制します。
  3. Presence Penalty: 一度生成されたトークンが再度出現するのを防ぎます。

Top-k, Top-p, Temperature

次は、この3つです。また3種ですね。

この3つは特によく登場するサンプリング手法です。

top-ktop-p、および temperature は生成されるテキストの質と多様性を制御するためのパラメータです。簡単に説明すると、

Top-k

目的: 最も確率の高い k 個のトークンだけを考慮します。

  • 方法: 確率の高い k 個のトークンを選び、その中から次のトークンをランダムに選択します。
  • 計算方法:
    1. トークンの確率を降順に並べ替えます。
    2. 上位 k 個のトークンを選びます。
    3. その中から次のトークンを選択します。

Top-p (または Nucleus Sampling)

目的: トークンの累積確率が p(例:0.9)となるまでトークンを選択します。

  • 方法: 確率の高いトークンを累積確率が p になるまで選び、その中から次のトークンをランダムに選択します。
  • 計算方法:
    1. トークンの確率を降順に並べ替えます。
    2. 確率の累積和が p を超えるまでトークンを選びます。
    3. その中から次のトークンを選択します。

Temperature

目的: 生成されるテキストのランダム性を制御します。

  • 方法: temperature を用いてトークンの確率分布を調整します。
  • 計算方法:
    1. 各トークンのログ確率を temperature で割ります。
    2. これにより、確率分布がスムーズになります(高温度:分布が平坦に、低温度:分布が尖ります)。

ペナルティと top_k,top_p,temperatureの計算シナリオ

たとえば、Qualiteg May Change the World with ChatStream というテキスト生成を行うシナリオで考えてみましょう。

ペナルティとTop-k, Top-p, Temperatureの相互作用

Qualiteg May Change the World with ChatStreamという文章生成において、どのようにペナルティが適用され、top-ktop-ptemperature とどのように連携するか以下にをみていきます。

1. ペナルティの適用

  • ペナルティの適用:
    • Repetition Penalty、Frequency Penalty、Presence Penalty が適用され、特定のトークンのログ確率が調整されます。
    • 例えば、「Qualiteg」という単語がすでに何度か出現している場合、その単語のログ確率が低くなります。

2. Temperatureの適用

  • Temperatureの適用:
    • 調整されたログ確率は temperature によってさらにスケールされます。
    • これにより、分布の形状が変わり、生成されるトークンのランダム性が増減します。
    • 高温度(例:1.2)の場合、分布が平坦になり、ランダム性が増します。
    • 低温度(例:0.7)の場合、分布が尖り、最も高い確率のトークンが選ばれやすくなります。

3. Top-kの適用

  • Top-kの適用:
    • top-k が適用され、上位 k 個のトークンのみが選択肢として残ります。
    • これにより、最も確率の高いトークンの中から次のトークンが選ばれます。
    • 低確率のトークンが除外され、生成されるテキストの質が高まります。

4. Top-pの適用

  • Top-pの適用:
    • top-p が適用され、累積確率が p を超えるまでトークンが選択されます。
    • これにより、確率の高いトークンの中から次のトークンがランダムに選ばれます。
    • こちらも低確率のトークンを除外し、生成されるテキストの質が高まります。

サンプリング計算の具体例

例えば、以下のような設定のとき、どのように計算されていくかを具体的にみていきましょう

  • 設定:

    • Repetition Penalty: 1.2
    • Frequency Penalty: 0.8
    • Presence Penalty: 1.5
    • Temperature: 0.7
    • Top-k: 50
    • Top-p: 0.9
  • ステップ 1: 初期のログ確率の計算
    まず、モデルが各トークンの初期のログ確率(logits)を計算します。例えば、以下のような初期ログ確率が得られたとします:

["Qualiteg": 2.0, "May": 1.5, "Change": 1.0, "the": 0.5, "World": 0.3, "with": 0.2, "ChatStream": 0.1]
  • ステップ 2: ペナルティの適用
    次に、各ペナルティを適用します。以下の例では、すでに「Qualiteg」が1回出現しており、他のトークンは初めて出現するものとします。

    • Repetition Penalty: 「Qualiteg」がすでに出現しているため、logits["Qualiteg"] に 1.2 のペナルティを適用します。
    logits["Qualiteg"] /= 1.2
    2.0 / 1.2 ≈ 1.67
    
    • Frequency Penalty: 出現頻度に基づくペナルティを適用します。「Qualiteg」は1回出現しているため、頻度ペナルティを適用します。
    logits["Qualiteg"] *= 0.8
    1.67 * 0.8 ≈ 1.34
    
    • Presence Penalty: 「Qualiteg」がすでに存在しているため、logits["Qualiteg"] に 1.5 のペナルティを適用します。
    logits["Qualiteg"] /= 1.5
    1.34 / 1.5 ≈ 0.89
    

    ペナルティを適用した後のログ確率

    ["Qualiteg": 0.89, "May": 1.5, "Change": 1.0, "the": 0.5, "World": 0.3, "with": 0.2, "ChatStream": 0.1]
    
  • ステップ 3: Temperatureの適用
    次に、temperature を適用して確率分布を調整します。temperature が 0.7 に設定されている場合、各ログ確率は 0.7 で割られます。

    logits["Qualiteg"] /= 0.7
    0.89 / 0.7 ≈ 1.27
    
    logits["May"] /= 0.7
    1.5 / 0.7 ≈ 2.14
    
    logits["Change"] /= 0.7
    1.0 / 0.7 ≈ 1.43
    
    logits["the"] /= 0.7
    0.5 / 0.7 ≈ 0.71
    
    logits["World"] /= 0.7
    0.3 / 0.7 ≈ 0.43
    

    調整後のログ確率:

    ["Qualiteg": 1.27, "May": 2.14, "Change": 1.43, "the": 0.71, "World": 0.43, "with": 0.29, "ChatStream": 0.14]
    
  • ステップ 4: Top-kの適用
    次に、top-k を適用します。ここでは top-k=50 ですが、上位5個のトークンのみを示します。

    上位トークン:

    ["May": 2.14, "Change": 1.43, "Qualiteg": 1.27, "the": 0.71, "World": 0.43]
    
  • ステップ 5: Top-pの適用
    最後に、top-p を適用します。ここでは top-p=0.9 です。累積確率が 0.9 を超えるまでトークンを選択します。

    累積確率の計算:

    • 確率の計算:

      • May: exp(2.14) ≈ 8.50
      • Change: exp(1.43) ≈ 4.18
      • Qualiteg: exp(1.27) ≈ 3.56
      • the: exp(0.71) ≈ 2.03
      • World: exp(0.43) ≈ 1.54

      合計:8.50 + 4.18 + 3.56 + 2.03 + 1.54 ≈ 19.81

    • 累積確率の計算:

      • May: 8.50 / 19.81 ≈ 0.43
      • Change: 4.18 / 19.81 ≈ 0.21
      • Qualiteg: 3.56 / 19.81 ≈ 0.18
      • ここまでの累積確率:0.43 + 0.21 + 0.18 ≈ 0.82
      • the: 2.03 / 19.81 ≈ 0.10(累積確率:0.82 + 0.10 ≈ 0.92)

    累積確率が 0.9 を超えたため、the までのトークンが選択肢に残ります

    ["May": 2.14, "Change": 1.43, "Qualiteg": 1.27, "the": 0.71]
    
  • ステップ 6: トークンの選択
    最終的に残ったトークンからランダムに次のトークンが選ばれます。この例では、["May", "Change", "Qualiteg", "the"] の中から1つが選ばれます。

このシナリオでは、ペナルティ、temperaturetop-ktop-p がどのように組み合わさってテキスト生成に影響を与えるかをみてきました。

ペナルティは特定のトークンの出現確率を調整し、temperature は分布の形状を変え、top-ktop-p は選択肢を絞り込むことで、最終的に生成されるテキストの質と多様性を制御することが実際の計算過程を追うことで理解できたとおもいます。

まとめ

今日は、3種類のペナルティとその周辺にあるサンプリング手法をみてきました。

ChatStreamにも今日作成した PenaltyProcessorを取り込むことが可能です。(ただし、ChatStreamにはすでにPenaltyProcessorのプリセット実装が存在しますが) 基本的に、logitsをどのようにサンプリングするかはサービス提供者の自由ですので、好きなProcessorを好きな順序で組み合わせることができます。
サンプリングを適用したいモデルに対して、もっとも好ましい出力となるようなサンプリングクラス(関数)の組み合わせ方、実際の値をどうするか、などは実際のモデルの入出力結果を測定して判断していくことになるとおもいます。このあたりは、ノウハウのかたまりでもあるので、もしご興味があればQualitegにぜひご相談ください。

ペナルティの比較

[付録]ペナルティの比較

ペナルティタイプ 目的 適用方法 ペナルティの例
Repetition Penalty 特定のトークンやフレーズが繰り返されるのを防ぐ。 過去に生成されたすべてのトークンのログ確率(logits)に対してペナルティを適用する。 例えば、あるトークンがすでに生成された場合、そのトークンのログ確率をペナルティ値で割る(乗算)か、ペナルティ値を引く(減算)。
Frequency Penalty 生成されたトークンの出現頻度に基づいてペナルティを適用し、頻繁に出現するトークンを抑制する。 各トークンが生成された回数に基づいてペナルティを適用する。トークンが出現するたびに、そのトークンの出現確率を低減させる。 トークンが出現するたびに、そのトークンのログ確率をペナルティ値で累積的に割る(乗算)か、ペナルティ値を累積的に引く(減算)。
Presence Penalty すでに生成されたトークンが再度出現するのを防ぐ。 トークンが一度でも生成されたかどうかに基づいてペナルティを適用する。一度生成されたトークンには再出現の際にペナルティが適用される。 一度生成されたトークンのログ確率をペナルティ値で割る(乗算)か、ペナルティ値を引く(減算)。

Read more

Startup JAPAN 2025 に出展いたしました

Startup JAPAN 2025 に出展いたしました

こんにちは! 2025年5月8日(木)-5月9日(金)に東京ビッグサイトで開催された Startup JAPAN 2025 に出展いたしましたので、簡単にレポートいたします😊 開催概要 出展概要 今回は当社が開発するアバター動画生成AI「MotionVox™」を中心に出展させていただきました! 展示会について簡単にふりかえってみたいとおもいます 当社ブース 当社ブースはこんなかんじです。 今回は、ブースというか、このイーゼルのような雰囲気の木枠にポスターをくっつけるというスタイルでの展示方式でした。 こういう方式ははじめてなので斬新でした。おそらくこの方式で相当なコストダウンを図れておりスタートアップにはうれしいですね。セットアップも数分で終わりました。 会場 今回の会場はビッグサイトの南ホールでした。南ホールは、ビッグサイト入口からすぐそこなので駅から会場までたいして歩かず、疲れずに行くことができアクセスがとても良いです。 ホールは広めですが、ところせましと400社の出展会社がひしめきあっておりスタートアップの勢いのある会場となっており

By Qualiteg ビジネス開発本部 | マーケティング部
GPUサービスで「Segmentation Fault 」に出会ったら~分析から解決までの実践アプローチ~

GPUサービスで「Segmentation Fault 」に出会ったら~分析から解決までの実践アプローチ~

こんにちは! 今日は仮想環境+GPUなサービスにおける「Segmentation Fault」について、分析と対処法について書いてみたいと思います。 Segmentation Faultの本質と特徴 Segmentation Faultは、プログラムが保護されたメモリ領域にアクセスしようとした際にOSが発生させる例外です。 今回は複数のGPUサービス(つまりGPUを使うプロセス)が動作していて、そのうちの1つを再起動したときに発生しました。 毎回発生するわけではありません。むしろ数百回の起動に1回程度ですが、1回でも発生すると絶望的な結果につながります。というのも、1つのGPUサービスの停止が SPOF となってサービス全体に影響が発生します。かつ、1回でも「Segmentation Fault」が発生してしまうと、その原因となったプロセスが二度と起動しなくなる、というやっかいな現象でした。 このように「普段は正常に動作しているのに突然動かなくなる」というのがデバッグを非常に難しくします。 とくにGPU+仮想化の組み合わせで従来のC++アプリよりも発生確率がぐっとあがる印象

By Qualiteg プロダクト開発部
シェルスクリプトからcondaコマンドを活用したいとき

シェルスクリプトからcondaコマンドを活用したいとき

こんにちは! 今日はみんな大好きcondaコマンドについてです。 condaコマンドで仮想環境に入って、何らかの処理をして、戻ってくる ようなシェルスクリプト、バッチタスクをやるときのTipsです。 AI開発において、Anacondaとその中核であるcondaパッケージマネージャーはとっても重宝します。 しかし、シェルスクリプトから自動的にcondaを利用しようとすると、意外なハードルがあります。 本記事では、シェルスクリプトからcondaコマンドを正しく呼び出す方法について解説します。 condaと非対話モードの課題 AnacondaがインストールされているLinux環境において、condaコマンドは通常、.bashrcや.bash_profileなどの設定ファイルによって初期化されます。 なんとなくシェルをつかっていると、このcondaコマンドの初期化を忘れてしまいますが、これらの設定は多くの場合シェルの「対話モード」でのみ有効になるように設計されています。 ゆえにシェルスクリプトのような非対話モードでは、condaコマンドが正しく機能してくれません 例えば、.b

By Qualiteg プロダクト開発部
Node.jsで大容量ファイルを扱う:AIモデルのような大きなデータ保存はストリーム処理使いましょう

Node.jsで大容量ファイルを扱う:AIモデルのような大きなデータ保存はストリーム処理使いましょう

こんにちは!今日はAIシステムのフロントサーバーとしてもよく使用するNode.jsについてのお話です。 AIモデルの普及に伴い、大容量のデータファイルを扱う機会が急増しています。LLMなどのモデルファイルやトレーニングデータセットは数GB、場合によっては数十、数百GBにも達することがあります。 一方、Node.jsはWebアプリケーションのフロントサーバーとして広く採用されており、データマネジメントやPythonで書かれたAIバックエンドとの橋渡し役としてもかなりお役立ちな存在です。 本記事では、Node.js v20LTSで5GB程度のファイルを処理しようとして遭遇した問題と、その解決方法について解説します。 Node.jsのバッファサイズ制限の変遷 Node.jsのバッファサイズ制限は、バージョンによって大きく変化してきました Node.jsバージョン サポート終了日 バッファサイズ上限 備考 Node.js 0.12.x 2016年12月31日 ~1GB 初期のバッファサイズ制限(smalloc.kMaxLength使用) Node.js 4.

By Qualiteg プロダクト開発部