Qualitegセレクション:アイディア深堀編①なぜなぜ分析の活用術

Qualitegセレクション:アイディア深堀編①なぜなぜ分析の活用術

Qualiteg blogを訪問してくださった皆様、こんにちは。Micheleです。AIを活用した新規事業やマーケティングを手がけている私には、クライアントからよく寄せられる質問があります。AIを用いた事業展開を検討されている方々が共通して直面するであろう課題に対して、このブログを通じて私なりの解答をご提供したいと思います。


本日は、Qualitegセレクションのアイディア深堀編として、「なぜなぜ分析の活用術」についてご紹介します。

なぜなぜ分析とは?

なぜなぜ分析は、問題の根本原因を突き止めるための強力なツールです。この手法は、問題に対して「なぜ?」を繰り返し問いかけることで、表面的な症状から真の原因へと掘り下げていきます。

聞くと簡単でできそうなのですが、結構インタビュー調査とかでメンバーにやってもらうとなかなかできなくて(だいたい1なぜ、2なぜでギブアップしてしまう。。)今日はそのポイントも合わせてお伝えしますね。

なぜなぜ分析はやはりもともと品質管理の面が強いので、コンサル時代でも製造業系に強いコンサルタントはわかっていましたが、戦略系やマネジメントコンサルチームのコンサルタントは知らないメンバーも多かったので、当ブログを読んでくださった皆様はぜひマスターしていってくださいませ★

なぜなぜ分析の基本ステップ

なぜなぜ分析の基本ステップは本当にシンプルです。

  1. 問題を明確に定義する
  2. 「なぜ?」を5回程度繰り返す
  3. 各段階で可能な限り具体的な回答を探る
  4. 根本原因に到達したら、解決策を考える

活用のポイント

  1. オープンマインドを保つ
    先入観にとらわれず、多角的な視点で問題を見つめることが重要です。
  2. チームで取り組む
    様々な視点や知識を集めることで、より深い分析が可能になります。
  3. データや事実に基づく
    感覚や推測ではなく、具体的な事実やデータを基に分析を進めましょう。
  4. 複数の原因を考慮する
    問題には往々にして複数の要因が絡んでいます。一つの答えに固執せず、複数の可能性を探ります。
  5. 解決策まで到達する
    原因を特定したら、そこから具体的な改善策を導き出すことが重要です。

実践例:営業成績が低下した場合

問題:最近の営業成績が低下している

営業成績の低下という問題は、多くの企業が直面する課題です。ここでは、なぜなぜ分析を用いて、この問題の根本原因を探り、具体的な改善策を検討する手順をご紹介します

なぜなぜ分析の実践

  1. 問題の特定: まずは、「最近の営業成績が低下している」という問題を明確に定義します。
  2. 「なぜ?」を繰り返す: 問題に対して、「なぜ?」を繰り返し問いかけ、根本原因を突き止めます。
    • なぜ? → 新規顧客の獲得数が減少している
    • なぜ? → 営業担当者の商品知識が不足している
    • なぜ? → 新製品の研修が十分に行われていない
    • なぜ? → 研修の時間が確保できていない
    • なぜ? → 業務が忙しく、研修の優先順位が低くなっている
  3. 根本原因の特定: 繰り返し「なぜ?」を問うことで、「業務が忙しく、研修の優先順位が低くなっている」という根本原因にたどり着きました。

なぜなぜ分析だけで満足しないで!

なぜなぜ5回をやると疲れてしまって、そこで満足してしまう方が多いのですが、大事なのは打ち手の検討です!ぜひ、もうひと踏ん張りして、打ち手の検討をしてみてください。

今日のところは上記分析内容について、以下の打ち手でまとめてみました。

  • 研修時間の確保:
    • 業務プロセスを見直し、非効率な部分を削減することで研修時間を確保する。
    • 営業担当者の一部業務を他の部署に依頼するなど、業務分担を見直す。
    • 研修を業務時間内に行うようにする。
  • 効率的な研修方法の導入:
    • オンライン研修やeラーニングなどを導入し、時間や場所を選ばずに研修を受けられるようにする。
    • 短時間でも効果的な研修プログラムを開発する。
    • 研修内容を営業担当者のレベルに合わせ、個別指導を取り入れる。
  • 研修の優先順位向上:
    • 研修の重要性を改めて認識させるための啓蒙活動を行う。
    • 研修成果を評価し、インセンティブを与えることで、研修へのモチベーションを高める。
    • 上司や経営陣が率先して研修に参加することで、研修の重要性を示す。

まとめ

なぜなぜ分析は、問題の本質を理解し、効果的な解決策を見出すための優れた手法です。ビジネスの様々な場面で活用することで、より深い洞察と効果的な問題解決が可能になります。ぜひ、日々の業務の中でこの手法を取り入れ、問題解決力を高めていきましょう。これをマスターすると少し「デキる人」っぽくふるまうことができますのでwおすすめです。


コラムを最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。私たちQualitegは、AI技術や新規事業の企画方法に関する研修およびコンサルティングを提供しております。もしご興味をお持ちいただけた場合、また具体的なご要望がございましたら、どうぞお気軽にこちらのお問い合わせフォームまでご連絡くださいませ。

また、新規事業創出のステップを体得したいという方にご好評のワークショップも実施しております。それぞれの担当者の方が役員目線で事業を考えるという点にフォーカスしたトレーニング内容となっており、企画担当者の方だけではなく、カウンターパートのエンジニア、デザイナー、マーケターの方にもご受講いただけるコンテンツとなっております。

Read more

【解説】Tekken トークナイザーとは何か? 〜 Mistral が採用する新世代トークナイザーの特徴

【解説】Tekken トークナイザーとは何か? 〜 Mistral が採用する新世代トークナイザーの特徴

こんにちは! 本日は、Tekkenについて解説いたします! 皆さま Tekken と聞いて何を思い浮かべますか? 格ゲーの鉄拳でしょうか? 私は、昔プレイした Age of Empires に登場する鉄剣戦士を思い浮かべました🤗 ちょっと古いかもしれませんが、名作です! さてつかみはこのくらいにして、、 LLMはご存じのとおり驚異的なスピードで進化しています。そんな中でひそかに注目されているのが、トークナイザーの改善です。 たとえば、Meta の Llama 系モデルのトークナイザーは Sentence Piece から BPE系へ進化するなど、LLM業界では従来よりも高効率なトークナイズ(テキスト分割)の方法を導入し始めています。 そして Mistral AI もまた、新たに「Tekken トークナイザー」という仕組みを採用し、大規模言語モデルの性能を底上げしています。 本記事では、Tekken トークナイザーの登場背景や技術的特徴、他のトークナイザーとの違い、さらには Mistral との関係などをわかりやすく解説していきます。 1. Tekken トーク

By Qualiteg プロダクト開発部
[AI新規事業創出]Qualitegオリジナル、アイディア評価、事業アイディア選定方法

[AI新規事業創出]Qualitegオリジナル、アイディア評価、事業アイディア選定方法

Qualiteg blogを訪問してくださった皆様、こんにちは。Micheleです。AIを活用した新規事業やマーケティングを手がけている私には、クライアントからよく寄せられる質問があります。AIを用いた事業展開を検討されている方々が共通して直面するであろう課題に対して、このブログを通じて私なりの解答をご提供したいと思います。 はじめに AI技術の急速な発展は、スタートアップから大企業まで、あらゆるビジネスに新たな可能性をもたらしています。クライアントとの会話の中でも、AIを活用した革新的な事業アイディアに関する相談が増えています。 しかし、多くの企業が「素晴らしいアイディアを思いついた!」と興奮しながらも、そのアイディアを具体化し、成功に導くための方法論に悩んでいるのも事実です。特にAIを用いた事業展開においては、従来のビジネスモデルとは異なる視点が必要となるため、その難しさはさらに増します。 本記事では、Qualitegオリジナルのアイディア評価、事業アイディア選定方法について解説します。特に、AIを用いた事業展開を検討されている方々が共通して直面するであろう課題に対して、

By Join us, Michele on Qualiteg's adventure to innovation
日本語対応!Mistral Small v3 解説

日本語対応!Mistral Small v3 解説

こんにちは! Mistral AIは2025年1月30日、新しい言語モデル「Mistral Small v3」を発表しました。このモデルは、24Bという比較的小規模なパラメータ数ながら、70B以上の大規模モデルに匹敵する性能を実現しています。また日本語対応も謳われており期待の高い小型モデルです! https://huggingface.co/mistralai/Mistral-Small-24B-Instruct-2501 動画 こちら本ブログの解説動画もご覧いただけます😊 きわだってるのは、レイテンシー最適化 Mistral Small 3のめだった特徴は、その処理性能とレイテンシーの絶妙なバランスではないでしょうか。 公開されている以下の性能評価のグラフによると、トークンあたり約11ミリ秒という業界最速レベルのレイテンシーを達成しています。これは、Qwen-2.5 32Bの約15ミリ秒やGemma-2 27Bの約14ミリ秒と比較して、明確な優位性を示しています。さらに注目すべきは、GPT-4o Miniと比較しても、より低いレイテンシーで同等以上の性能を実現し

By Qualiteg プロダクト開発部
[vLLM] To use CUDA with multiprocessing, you must use the 'spawn' start method の対処法

[vLLM] To use CUDA with multiprocessing, you must use the 'spawn' start method の対処法

WSLで vLLM を使用するとき、 tensor parallel を使って複数枚のGPUで1つのLLMをサーブしようとしたとき以下のようなエラーが発生しがちです RuntimeError: Cannot re-initialize CUDA in forked subprocess. To use CUDA with multiprocessing, you must use the 'spawn' start method 遭遇するシーンとしてはvLLMの起動オプションに以下のようにテンソル並列化オプションを指定したときです。 --tensor-parallel-size 2 つまり、マルチプロセッシングでCUDA使うときは、 "fork"じゃなくて"spawn" 使ってね、というエラーです。 これを vLLM に教えるために、以下の2行目のように環境変数を設定してあげるとvLLMが "spawn" を使ってくれるようになります。 export

By Qualiteg プロダクト開発部