株式会社 Qualiteg 設立のご挨拶

本日、株式会社 Qualiteg を設立いたしました。私たちの旅の始まりに際して、Qualiteg のミッションとビジョンについて、皆様にご紹介させていただきます。

Qualiteg のミッションは、世界中の人々のクリエイティビティを深化させることにあります。私たちは、クリエイティビティが社会の発展を牽引し、個々の成長を促す重要な要素であると確信しています。この信念のもと、Qualiteg は技術の力を活用して、人々が新たなアイデアを生み出し、創造性を引き出すための環境を提供することを目指しています。

私たちのビジョンは、人間の叡智を集結した人工超知能(Artificial Super Intelligence = ASI)の実現にあります。

歴史を振り返れば、産業革命をはじめとする技術革新が私たちにもたらした最大の価値は「時間」です。技術の進歩により生み出された余剰時間を使って、人々はクリエイティブな活動に更に多くの時間を割くことができるようになりました。ASIはこの流れを加速させ、産業革命やインターネット革命を遥かに超える影響をもたらすと予想されています。これにより、人々はクリエイティブな時間を取り戻すだけでなく、そのポテンシャルを最大限に発揮することが可能になると私たちは考えています。

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Photo by Christina @ wocintechchat.com / Unsplash

この大きなビジョンを実現するため、Qualiteg は大規模言語モデル(LLM)がASI実現の鍵となる技術であると考えています。私たちは、LLMの実行プラットフォームの提供、多様なプロジェクトの加速を支援するためのツールやサービスの提供、そしてこれらの取り組みを支えるコンサルティングサービスを通じて、世界初のASIを日本から発信するための基盤となることを目指しています。

私たちQualitegは、技術を通じて人々のクリエイティビティを広げ、社会の発展に貢献することを心から願っています。私たちのミッションとビジョンに共感し、支持してくださる皆様と共に、この壮大な旅を歩んでいけることを楽しみにしています。

株式会社 Qualiteg 代表取締役 三澤 智則

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発話音声からリアルなリップシンクを生成する技術 第2回:AIを使ったドリフト補正

発話音声からリアルなリップシンクを生成する技術 第2回:AIを使ったドリフト補正

こんにちは! 前回の記事では、当社のMotionVoxで使用している「リップシンク」技術について、wav2vecを用いた音声特徴量抽出の仕組みを解説しました。音声から正確な口の動きを予測するための基礎技術について理解いただけたかと思います。 今回は、その続編として、リップシンク制作における重要な技術的課題である「累積ドリフト」に焦点を当てます。wav2vecで高精度な音素認識ができても、実際の動画制作では複数の音声セグメントを時系列に配置する際、わずかなタイミング誤差が蓄積して最終的に大きなずれとなる現象が発生します。 本記事では、この累積ドリフトのメカニズムと、機械学習を活用した最新の補正技術について、実際の測定データを交えながら詳しく解説していきます。前回のwav2vecによる特徴抽出と今回のドリフト補正技術を組み合わせることで、MotionVoxがどのように高品質なリップシンクを実現しているのか、その全体像が見えてくるはずです。 累積ドリフトとは何か 基本概念 累積ドリフトとは、個々の音声セグメントが持つ微小なタイミング誤差が、時間の経過とともに蓄積していく現象で

By Qualiteg 研究部
AIエージェント時代の新たな番人「ガーディアンエージェント」とは?

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こんにちは!今日は先日ガートナーが発表したガーディアンエージェントについて解説します ガートナーの公式定義 ハイプカーブで有名なガートナーは2025年6月に、ガーディアンエージェントに関する見解を発表しました。ガーディアン・エージェントとは、AIとの安全で信頼できるやりとりを支援するために設計されたAIベースのテクノロジです。 ざっくりいうと、 「AIエージェントが来るよ」と予言したガートナー社は、次は、「ガーディアンエージェントが来るよ」と予言しました。なぜガーディアンエージェントが来るのでしょうか?本稿では、そのあたりを考察していきたいと思います。 なぜ今、AIの「監視役」が必要なのか 2025年、私たちは本格的なAIエージェント時代の入り口に立っています。AIが単なるツールから、自律的に判断し行動する「エージェント」へと進化する中で、新たな課題が浮上しています。 従来のAIとエージェント型AIの違い さて、ガーディアンエージェントが必要になる理由として、生成AI(以後AIと呼びます)の急速な進化があげられます。従来のAIとエージェント型AIの違いを思い出

By Qualiteg コンサルティング
LLM推論基盤プロビジョニング講座 第4回 推論エンジンの選定

LLM推論基盤プロビジョニング講座 第4回 推論エンジンの選定

こんにちは!前回までの講座では、LLMサービス構築に必要なリクエスト数の見積もりや、使用モデルの推論時消費メモリ計算について詳しく解説してきました。今回は7ステッププロセスの4番目、「推論エンジンの選定」について詳しく掘り下げていきます。 推論エンジンとは何か 推論エンジンとは、GPU上でLLMモデルの推論計算(テキスト生成)を効率的に行うために設計された専用のソフトウェアプログラムです。一般的なディープラーニングフレームワーク(PyTorch、TensorFlowなど)でも推論は可能ですが、実運用環境では専用の推論エンジンを使用することで、大幅なパフォーマンス向上とリソース効率化が期待できます。 推論エンジンは単なる実行環境ではなく、様々な最適化技術を実装しています。特定のモデルアーキテクチャに特化した最適化機能を実装したものや、推論速度の高速化に特化したもの、前回解説したKVキャッシュのメモリ効率化機能を備えたものなど、それぞれ特徴が異なります。そのため、自社で採用したLLMモデルや運用環境、要件に合致した推論エンジンを選定することが重要です。 推論エンジン選定のアプロ

By Qualiteg コンサルティング
発話音声からリアルなリップシンクを生成する技術 第1回:音素とwav2vec

発話音声からリアルなリップシンクを生成する技術 第1回:音素とwav2vec

こんにちは! 今日は当社のMotionVox でも実際に使っている「リップシンク」技術について総合的に解説してみたいとおもいます。 音声に合わせて自然な口の動きを生成するリップシンク技術は、AIアバターや3Dアニメーション制作においても重要な技術です。 本記事では、最新のディープラーニング技術を活用したリップシンク学習の基礎から実装まで、技術的な観点から詳しく解説します。 1. リップシンク学習の基礎概念 1.1 問題設定 リップシンク学習とは、音声データから対応する口の動きを予測する回帰問題ととらえることができます f: 音声特徴量(t) → 口の動きパラメータ(t) この問題のコアは 音韻(音の特徴)と視素(視覚的な口の形)の対応関係を学習する ことにあります。 1.2 音韻-視素マッピングの複雑性 ただし! 人間の発話における音と口の形の関係は、単純な1対1マッピングではないんです。 同じ音でも文脈で変化 「あ」の発音でも: - 「か」の後の「あ」→ 口がやや狭めから開く - 「ん」の後の「あ」→ 口が閉じた状態から大きく開く 調音結合

By Qualiteg 研究部, Qualiteg コンサルティング