[ChatStream] クイックスタート

[ChatStream] クイックスタート

こんにちは! (株)Qualiteg プロダクト開発部 です!

まだまだ暑いですね!

早速、昨日発表しました ChatStream をつかったリアルタイムストリーミングチャットサーバーを作ってみたいと思います。

パッケージのインストール

早速 ChatStream パッケージのインストールをしていきます

pip install chatstream

必要パッケージのインストール

pip install torch torchvision torchaudio
pip install transformers
pip install "uvicorn[standard]" gunicorn 

ChatStream サーバーの実装

今回は RedPajamaINCITE をLLMとしてつかったストリーミングチャットサーバーを実装します。

chatstream_server.py

import torch
from fastapi import FastAPI, Request
from fastsession import FastSessionMiddleware, MemoryStore
from transformers import AutoTokenizer, AutoModelForCausalLM

from chatstream import ChatStream,ChatPromptTogetherRedPajamaINCITEChat as ChatPrompt

model_path = "togethercomputer/RedPajama-INCITE-Chat-3B-v1"
device = "cuda"  # "cuda" / "cpu"

tokenizer = AutoTokenizer.from_pretrained(model_path)
model = AutoModelForCausalLM.from_pretrained(model_path, torch_dtype=torch.float16)
model.to(device)

chat_stream = ChatStream(
    num_of_concurrent_executions=2,# 文章生成の最大同時実行数
    max_queue_size=5,# 待ち行列の大きさ
    model=model,
    tokenizer=tokenizer,
    device=device,
    chat_prompt_clazz=ChatPrompt,
)

app = FastAPI()

# ユーザーごとの ChatPrompt を HTTP セッションに保持するため、セッションミドルウェアを指定
app.add_middleware(FastSessionMiddleware,
                   secret_key="your-session-secret-key",
                   store=MemoryStore(),
                   http_only=True,
                   secure=False,
                   )


@app.post("/chat_stream")
async def stream_api(request: Request):
    # FastAPI の Request オブジェクトを `handle_chat_stream_request` に渡すだけで自動的にキューイング、同時実行制御します
    response = await chat_stream.handle_chat_stream_request(request)
    return response


@app.on_event("startup")
async def startup():
    # Webサーバー起動と同時に `start_queue_worker` を行い、キューイングシステムを開始します
    await chat_stream.start_queue_worker()

コンストラクターパラメータでパフォーマンス調整

num_of_concurrent_executions

num_of_concurrent_executions=2 は文章生成の最大同時実行数を表しています。この数字が大きいほど、複数の文章生成を並行実行することができます。ただし、大きすぎると、トークン生成速度(トークン/秒)が遅くなるため、GPUの性能にあわせて適切な値を設定してください。たとえば、GPUが A4000 x 1枚 程度の性能の場合は num_of_concurrent_executions=5~10 程度が「快適」と思える生成速度となります。

max_queue_size

max_queue_size=5 は、文章生成の同時実行が埋まっているときに、文章生成待ちをしているリクエストの最大数です。たとえば、上の例のように文章生成の同時実行数の最大数 num_of_concurrent_executions==2 に達しているとき、3番目のリクエストからは待ち行列に入ります。3番目から8番目までは、文章生成を待っている状態で、チャットUI上ではプログレスバーとなります。では、この状態で9番目のリクエストが来たらどうなるでしょうか。

その場合、9番目のリクエストには「現在、文章生成サーバーがBusyです」の旨UIに表示されます。

(ただしこのような状況はサービスとして好ましくないため、このような状況が発生しないよう複数のノードをあらかじめ準備しておくことができます。また、急遽想定以上のアクセスが発生したときに、新しいノードが立ち上がるように設定しておくこともできます。これにより、負荷が多くなったときに、新しいノードが立ち上がり、待ち時間の無いチャットサービスを提供することができます。これら、スケーリングに関する設定方法は別途投稿いたします。)

プロンプト処理クラス "ChatPrompt"を作る

ユーザーによる入力テキストをLLM用のフォーマットに書き換えるためのプロンプト処理クラスはChatPrompt クラスと呼びます。

Qualiteg では、新しい LLM が発表されるたび、そのモデル用の ChatPrompt クラスを作成・バンドルしていますが、自前で作成することもできます。

ここでは今回のサンプルで利用した RedpajamaIncite のモデル用の ChatPromptクラスをご紹介します

from chatstream import AbstractChatPrompt


class ChatPromptTogetherRedPajamaINCITEChat(AbstractChatPrompt):
    """
    togethercomputer/RedPajama-INCITE-7B-Chat
    """

    def __init__(self):
        super().__init__()  # Call the initialization of the base class
        self.set_requester("<human>")
        self.set_responder("<bot>")
        self.set_prefix_as_stop_str_enabled(True)  # enable requester's prompt suffix as stop str

    def get_stop_strs(self):
        return ['<|endoftext|>']

    def create_prompt(self, opts={}):
        """
        Build prompts according to the characteristics of each language model
        :return:
        """
        if self.chat_mode == False:
            return self.get_requester_last_msg()

        ret = self.system
        for chat_content in self.get_contents(opts):
            chat_content_role = chat_content.get_role()
            chat_content_message = chat_content.get_message()

            if chat_content_role:
                if chat_content_message:
                    merged_message = chat_content_role + ": " + chat_content_message + "\n"
                else:
                    merged_message = chat_content_role + ":"

                ret += merged_message

        return ret

    async def build_initial_prompt(self, chat_prompt):
        pass
        # If you want a common initial prompt for instructions, override this method and implement
        # chat_prompt.add_requester_msg("Do you know about the Titanic movie?")
        # chat_prompt.add_responder_msg("Yes, I am familiar with it.")
        # chat_prompt.add_requester_msg("Who starred in the movie?")
        # chat_prompt.add_responder_msg("Leonardo DiCaprio and Kate Winslet.")

単純なモデルの場合は、LLMに入力するプロンプトテキストは、テンプレートマッチングだけで表現できますが、複雑な処理が必要な場合には、このようにChatPromptクラスとして実装したほうが柔軟な処理ができます。


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【解説】Tekken トークナイザーとは何か? 〜 Mistral が採用する新世代トークナイザーの特徴

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こんにちは! Mistral AIは2025年1月30日、新しい言語モデル「Mistral Small v3」を発表しました。このモデルは、24Bという比較的小規模なパラメータ数ながら、70B以上の大規模モデルに匹敵する性能を実現しています。また日本語対応も謳われており期待の高い小型モデルです! https://huggingface.co/mistralai/Mistral-Small-24B-Instruct-2501 動画 こちら本ブログの解説動画もご覧いただけます😊 きわだってるのは、レイテンシー最適化 Mistral Small 3のめだった特徴は、その処理性能とレイテンシーの絶妙なバランスではないでしょうか。 公開されている以下の性能評価のグラフによると、トークンあたり約11ミリ秒という業界最速レベルのレイテンシーを達成しています。これは、Qwen-2.5 32Bの約15ミリ秒やGemma-2 27Bの約14ミリ秒と比較して、明確な優位性を示しています。さらに注目すべきは、GPT-4o Miniと比較しても、より低いレイテンシーで同等以上の性能を実現し

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[vLLM] To use CUDA with multiprocessing, you must use the 'spawn' start method の対処法

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WSLで vLLM を使用するとき、 tensor parallel を使って複数枚のGPUで1つのLLMをサーブしようとしたとき以下のようなエラーが発生しがちです RuntimeError: Cannot re-initialize CUDA in forked subprocess. To use CUDA with multiprocessing, you must use the 'spawn' start method 遭遇するシーンとしてはvLLMの起動オプションに以下のようにテンソル並列化オプションを指定したときです。 --tensor-parallel-size 2 つまり、マルチプロセッシングでCUDA使うときは、 "fork"じゃなくて"spawn" 使ってね、というエラーです。 これを vLLM に教えるために、以下の2行目のように環境変数を設定してあげるとvLLMが "spawn" を使ってくれるようになります。 export

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