Qualiteg プロダクト開発部

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Gemini 2.5 Pro/Flashにおけるマルチモーダルトークン(画像のトークン数、動画のトークン数など)計算ガイド

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Gemini 2.5 Pro/Flashにおけるマルチモーダルトークン(画像のトークン数、動画のトークン数など)計算ガイド

こんにちは! 本日は、Gemini 2.5 ProおよびGemini 2.5 Flashを使用する際、料金計算やコンテキストウィンドウの管理において、トークン数の正確な把握は非常に重要です。本記事では、画像、動画、音声といったマルチモーダルコンテンツのトークン計算方法について詳しく解説します。 基本概念:トークンとは Gemini 2.5シリーズにおいて、1トークンは約4文字に相当し、100トークンは約60-80語(英語)に相当します。すべての入力と出力はトークン単位で処理され、課金もトークン数に基づいて行われます。 Gemini 2.5シリーズのモデルと料金 利用可能なモデル * Gemini 2.5 Pro: 高度な推論能力を持つフラグシップモデル * Gemini 2.5 Flash: コスト効率に優れた高速モデル * Gemini 2.5 Flash Image: 画像生成専用モデル コンテキストウィンドウ 両モデルとも1,000,000トークンの大規模なコンテキストウィンドウを提供します。

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PythonとWSL開発のトラブルシューティング: PyCharmとCondaの環境不一致問題

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PythonとWSL開発のトラブルシューティング: PyCharmとCondaの環境不一致問題

こんにちは! 今回は、WSL上のConda環境をPyCharmから利用する際に発生した「同じ環境なのにパッケージリストが一致しない」という問題に遭遇したため、その原因と対策について書いてみたいとおもいます 問題の状況 開発の流れは以下のようなものでした 1. WSL環境でConda仮想環境を作成 2. その環境をPyCharmのプロジェクトインタプリタとして設定 3. 開発を進める中で奇妙な現象に気づく 具体的には、次のような不一致が発生していました * PyCharmのプロジェクト設定で表示されるpipパッケージのリスト * WSLでConda環境をアクティベートした後にpip listコマンドで表示されるパッケージのリスト これらが一致せず、「WSL側のシェルから直接インストールしたパッケージがPyCharmで認識されない」という問題が生じていました。 この手の問題でよくある原因は、PyCharm側がWSL側の更新を得るのに少し時間がかかったり、 Indexing が遅れているなどなのですが、今回はそれが原因ではありませんでした。 危険な「静かな

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Model Context Protocol(MCP)入門:いよいよセマンティックWebの世界へ

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Model Context Protocol(MCP)入門:いよいよセマンティックWebの世界へ

こんにちは! きょうは話題のMCPについて解説いたします! はじめに 「AIが便利なのはわかるけど、自分のデータにアクセスさせたり、他のアプリと連携させたりするのは難しそう...」 このような悩みを持っている方は多いのではないでしょうか。 実際、従来のAIには大きな壁がありました。トレーニングデータの範囲でしか回答できない、リアルタイム情報にアクセスできない、外部アプリケーションを操作できないなどの制約です。 トレーニングデータの外側にあるデータをうまく検索する技術としてLLM黎明期からRAGとよばれる技術が発展してきました。 データ検索だけではなく、あらゆる分野でAIが半ば自動で連携してくれる技術が登場しました。 それが「Model Context Protocol(MCP)」です。 本記事では、AIと外部ツールの連携を革新的に簡単にするMCPについて、基本から実用まで詳しく解説します。 MCPの本質:AIのための標準インターフェース MCPは、AIモデルと外部ツール・アプリケーションの間の通信を標準化するプロトコルです。これはインターネットの世界でいえば、

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GPUサーバーの最適容量計算: キューイング理論と実践的モデル

IT & AIテクノロジー

GPUサーバーの最適容量計算: キューイング理論と実践的モデル

最大ユーザーサポート数計算ツール 同時に1件のみ処理できるGPU変換サーバーの最大ユーザーサポート数を計算します 処理時間 (t_p) 分/件 1件の変換処理にかかる時間 目標システム利用率 (ρ) 0 〜 1 安定稼働のための目標稼働率(推奨: 0.7〜0.8) ピーク係数 (P_c) 倍 最も混雑する時間帯の平均アクセス倍率 稼働時間 (H) 時間/日 システムが1日に稼働している総時間 アクセス確率 (P_a) 0 〜 1 1人のユーザーが1日にシステムを利用する確率 1ユーザーあたりの変換回数 (F) 回/日 利用する日の平均変換処理回数 計算過程を表示 計算結果 サポート可能な総ユーザー数: 人 計算式: N = (ρ × μ × H) ÷ (P_a

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WSL2でDNS解決がうまくいかない問題と解決方法

日々の開発Tips

WSL2でDNS解決がうまくいかない問題と解決方法

こんにちは! Windows Subsystem for Linux (WSL2)は、Windows上でLinux環境を利用できる素晴らしい機能ですが、中にはDNS解決に関する問題が発生することがあります。この記事では、その症状と効果的な解決方法を紹介します。 検証環境 この記事で紹介する方法は、以下のバージョンで検証しています WSL バージョン: 2.4.13.0 カーネル バージョン: 5.15.167.4-1 WSLg バージョン: 1.0.65 MSRDC バージョン: 1.2.5716 Direct3D バージョン: 1.611.1-81528511 DXCore バージョン: 10.0.26100.1-240331-1435.ge-release Windows バージョン:

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PyTorch 2.6 のセキュリティ: モデルチェックポイントロードの安全対策

NumPy/PyTorch

PyTorch 2.6 のセキュリティ: モデルチェックポイントロードの安全対策

こんにちは! 今日は、魅力的なPyTorchチェックポイントが配られているからと言って無邪気に使っちゃうと、超ヤバイよ、というお話になります。 みなさまモデルチェックポイントをロードする際のセキュリティリスクについて考えたことはありますでしょうか。実はモデルの重みファイルだとばかり思っていたチェックポイントが、思わぬセキュリティホールになる可能性があります。 本記事では、PyTorchのtorch.load関数の安全性と、モデルチェックポイントを適切に扱うための実践的なガイドラインを紹介します。 モデルチェックポイントの隠れた危険性 PyTorchのtorch.load関数は非常に便利な一方で、セキュリティ上の重大なリスクを含んでいます。 その理由は、 * チェックポイント単なるパラメータだけではないよ! チェックポイントファイルには、モデルの重み(weights)だけでなく、クラスや関数など任意のPythonコードを含めることが可能です。 * 実行可能なコードが入ってるよ! これは、チェックポイントが単なる「データファイル」ではなく、Pytho

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Windows Terminal で「無効な "icon" を持つプロファイルが見つかりました。既定では、そのプロファイルにアイコンはありません。」が出たときの対処法

日々の開発Tips

Windows Terminal で「無効な "icon" を持つプロファイルが見つかりました。既定では、そのプロファイルにアイコンはありません。」が出たときの対処法

何度か、WSL にいろんなバージョンのLinux を入れたり消したりしたときに遭遇した現象です ユーザー設定の読み込み中にエラーが発生しました 無効な "icon" を持つプロファイルが見つかりました。既定では、そのプロファイルにアイコンはありません。"icon" を設定するときは、値が画像への有効なファイルパスとなっていることをご確認ください。 が発生するときの原因と対象法のレポートです 原因 使われなくなったゾンビ・プロファイルがWindows Terminal (のキャッシュ)に残り続ける 対処法 このメッセージを解消するには、いったん、プロファイルをリセットする必要がありました。 ※既存プロファイル設定が消える場合があるので留意すること Step1 Windows Terminal を落とす Windows Terminal をいったんすべて落とす Step2 settings.json を消す エクスプローラーで settings.json のあるフォルダに移動しファイルを削除する %LOCALAPPDATA%\Packages\Micros

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本番運用におけるPyTorch+CUDAサーバーでの「Unknown Error」問題とその対策

NumPy/PyTorch

本番運用におけるPyTorch+CUDAサーバーでの「Unknown Error」問題とその対策

こんにちは!Qualitegプロダクト開発部です。 今日は、GPUをつかった商用サービスにて悩ましい、テストは全部通るけど、長時間運用をしていると急に起こる「CUDA error: unknown error」についての内容です。 これ、出会うと残念な気持ちになりますが、けっこうGPU商用サービス界隈では「あるある」なんです。 原因を真面目に探るには CUDAバージョン、PyTorchバージョンの調合具合、実際のアプリケーションコードまですべてソースまで追う必要があるのですが、多くの場合、運用でカバーします。 なぜなら仮に1つ原因をみつけて対処できたとしても、CUDAバージョンはしょっちゅうあがりますし、PyTorchもそれに追従して頻繁に更新されます。さらにやっかいなことに、1日、2日、いや1週間くらいは安定的に動作しているようにみえて、数週間後にとつぜんエラーが出るといった具合なので、修正確認の難易度が高いんです。 そこで本日は「開発環境や実験環境」ではなく「本番環境」で発生しがちなこのCUDA Unknown Error について問題の原因と実践的な対策につい

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LLM活用における段階的PIIマスキング

LLM-Audit

LLM活用における段階的PIIマスキング

こんにちは、Qualitegプロダクト開発部です! 前回の技術解説では、「三沢」が人名なのか地名なのか判断できない日本語の曖昧性から始まり、正規表現からLLM統合まで5段階のPII検出アプローチをご紹介しました。今回は、これらの技術を搭載した LLM-Audit™ PII Protector が実際のLLM活用シーンでどのように動いているのか、実際のプロダクト処理の観点で、もう一歩踏み込んで解説します。 ファイルの中に潜む、見えないPII LLM Audit™ PII Protectorをご紹介した際、多くの方から「テキスト入力のPII検出は分かったけど、ファイルをまるごとLLMに投げる場合はどうなるの?」というご質問をいただきました。 確かに現在のLLM活用は、単純なテキスト入力から、PowerPoint、Excel、PDF、画像ファイルなど、様々な形式のファイルを直接処理する段階に進化しています。「この提案書を要約して」「このExcelから傾向を分析して」といった使い方が当たり前になってきました。 PowerPointの「スピーカーノート」を見たことがありますか?

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Windowsで巨大ファイルを含むフォルダをZIP(無圧縮)に格納する方法

日々の開発Tips

Windowsで巨大ファイルを含むフォルダをZIP(無圧縮)に格納する方法

こんにちは! 複数の大容量のファイルを含むフォルダをバックアップやアーカイブする際、ZIPファイルに格納することがよくあります。 しかし、既に圧縮済みのファイル(動画、画像、PDFなど)を再圧縮すると、処理時間がかかる割に圧縮効果が少かったり、圧縮にものすごく時間がかかってしまうことがあります。別に容量を制限したいわけでなく、単に複数のファイルを単にひとまとめにしたいときには「無圧縮ZIP」(ストアモード)が1つの選択肢となります。 この記事では、特に巨大ファイル(数GB〜数十GB)を含むフォルダを無圧縮ZIPに格納する方法について解説します。 Windows標準機能の限界 Windows Explorerの標準ZIP機能では、ファイルを右クリックして「送る」→「圧縮(zip形式)フォルダー」を選択できますが、これには2つの問題があります 1. 無圧縮(ストアモード)を選択するオプションがない 2. いちいち圧縮してしまうので大容量ファイルの処理に時間がかかる PowerShellの無圧縮ZIPコマンドと制限 PowerShellにはCompress-Archi

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【解説】Tekken トークナイザーとは何か? 〜 Mistral が採用する新世代トークナイザーの特徴

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【解説】Tekken トークナイザーとは何か? 〜 Mistral が採用する新世代トークナイザーの特徴

こんにちは! 本日は、Tekkenについて解説いたします! 皆さま Tekken と聞いて何を思い浮かべますか? 格ゲーの鉄拳でしょうか? 私は、昔プレイした Age of Empires に登場する鉄剣戦士を思い浮かべました🤗 ちょっと古いかもしれませんが、名作です! さてつかみはこのくらいにして、、 LLMはご存じのとおり驚異的なスピードで進化しています。そんな中でひそかに注目されているのが、トークナイザーの改善です。 たとえば、Meta の Llama 系モデルのトークナイザーは Sentence Piece から BPE系へ進化するなど、LLM業界では従来よりも高効率なトークナイズ(テキスト分割)の方法を導入し始めています。 そして Mistral AI もまた、新たに「Tekken トークナイザー」という仕組みを採用し、大規模言語モデルの性能を底上げしています。 本記事では、Tekken トークナイザーの登場背景や技術的特徴、他のトークナイザーとの違い、さらには Mistral との関係などをわかりやすく解説していきます。 1. Tekken トーク

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Windowsであるポート番号をListenしてるプロセスが何か知る方法

日々の開発Tips

Windowsであるポート番号をListenしてるプロセスが何か知る方法

Windows(サーバー)で、あるポート番号を誰がListenしてるかを知る方法です。 対話式でやる方法 1回目のコマンド netstat -ano | findstr ":443" | findstr "LISTENING" これでプロセスID(PID)が判明する 実行結果 TCP 0.0.0.0:443 0.0.0.0:0 LISTENING 20220 TCP [::]:443 [::]:0 LISTENING 20220 2回目のコマンド tasklist /fi "PID eq 20220" 実行結果 イメージ名 PID セッション名

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日本語対応!Mistral Small v3 解説

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日本語対応!Mistral Small v3 解説

こんにちは! Mistral AIは2025年1月30日、新しい言語モデル「Mistral Small v3」を発表しました。このモデルは、24Bという比較的小規模なパラメータ数ながら、70B以上の大規模モデルに匹敵する性能を実現しています。また日本語対応も謳われており期待の高い小型モデルです! https://huggingface.co/mistralai/Mistral-Small-24B-Instruct-2501 動画 こちら本ブログの解説動画もご覧いただけます😊 きわだってるのは、レイテンシー最適化 Mistral Small 3のめだった特徴は、その処理性能とレイテンシーの絶妙なバランスではないでしょうか。 公開されている以下の性能評価のグラフによると、トークンあたり約11ミリ秒という業界最速レベルのレイテンシーを達成しています。これは、Qwen-2.5 32Bの約15ミリ秒やGemma-2 27Bの約14ミリ秒と比較して、明確な優位性を示しています。さらに注目すべきは、GPT-4o Miniと比較しても、より低いレイテンシーで同等以上の性能を実現し

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[vLLM] To use CUDA with multiprocessing, you must use the 'spawn' start method の対処法

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[vLLM] To use CUDA with multiprocessing, you must use the 'spawn' start method の対処法

WSLで vLLM を使用するとき、 tensor parallel を使って複数枚のGPUで1つのLLMをサーブしようとしたとき以下のようなエラーが発生しがちです RuntimeError: Cannot re-initialize CUDA in forked subprocess. To use CUDA with multiprocessing, you must use the 'spawn' start method 遭遇するシーンとしてはvLLMの起動オプションに以下のようにテンソル並列化オプションを指定したときです。 --tensor-parallel-size 2 つまり、マルチプロセッシングでCUDA使うときは、 "fork"じゃなくて"spawn" 使ってね、というエラーです。 これを vLLM に教えるために、以下の2行目のように環境変数を設定してあげるとvLLMが "spawn" を使ってくれるようになります。 export

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「Open Deep Research」技術解説

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「Open Deep Research」技術解説

こんにちは!「Deep Research」界隈、にわかに盛り上がりを見せておりますね。 今日は昨日(2025/2/5)発表された、 Open Deep Researchについて、そのアーキテクチャや実装について解説したします! 1. はじめに OpenAIが開発した「GPT Deep Research」が世間をにぎわせていますが、「●● Deep Research」は既出のものをふくめこれから各社がしのぎを削っていくのではないでしょうか。 「Open Deep Research」はHuggingFace 社が開発したオープンソースツールで、その名の通り従来人間がデスクトップで行っていた Web 情報調査の作業を自動化するツールです。 今日は、本ツールの設計思想、 Deep Research ってどうやってるの? っていうところをディープに解説してみたいとおもいます。 あくまでも仕組みの説明にフォーカスしており、使い方説明ではないのでご了承くだすぁい。 1.1. はじめに 近年、情報技術の進歩により扱える情報量は飛躍的に増加しております。デスクトップで Web 情報調

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