[ChatStream] 時間のかかるモデル読み込みにプログレスバーをつける

[ChatStream] 時間のかかるモデル読み込みにプログレスバーをつける

こんにちは (株)Qualiteg プロダクト開発本部です!
HuggingFace の LLMのモデル読み込み時間ってとても長いですよね、そんなときに、便利なツールをご紹介します。

HuggingFace の LLM モデルはダウンロードするときは、進捗がでるのですが、ひとたびダウンロードしたあとは、読み込むまで短くて数分、長くて数十分待たされます。これはディスクからモデルデータ(weights and bias)を処理しながらGPUのVRAMに読み込む処理に時間がかかるのですが、その読み込み状態がいったいいまどのくらいなのか、これがわからず、ヤキモキしたことは無いでしょうか。
そこでは ChatStreamの便利機能として、以下のように、このモデル読み込み時間のプログレス表示をすることができます。

仕掛けはいたってシンプルで、初回の読み込み実行時に処理時間を計測しておき、2回目、また同じ処理が呼ばれたときはプログレスバーを表示します。

使い方も簡単で、モデルの読み込みを LoadTime でラップするだけで、プログレスバーつきで読み込むことができます

Before

model = AutoModelForCausalLM.from_pretrained(model_path, torch_dtype=torch.float16)


After

from chatstream import LoadTime
model = LoadTime(name=model_path,
                 fn=lambda: AutoModelForCausalLM.from_pretrained(model_path, torch_dtype=torch.float16))()

モデル読み込みソースコード全体

import torch
from transformers import AutoTokenizer, AutoModelForCausalLM
from loadtime import LoadTime

model_path = "togethercomputer/RedPajama-INCITE-Chat-3B-v1"

model = LoadTime(name=model_path,
                 fn=lambda: AutoModelForCausalLM.from_pretrained(model_path, torch_dtype=torch.float16))()

tokenizer = AutoTokenizer.from_pretrained(model_path) # tokenizerはモデル読み込みの後で取得します

ちなみに、本機能は、独立したライブラリとしても提供していますので、ChatStreamをご利用でなくても誰でも自由に使用することが可能です。

以下 loadtime パッケージのご紹介させていただきます

loadtime 使い方

インストール方法

pipを使ってLoadTimeをインストールできます

pip install loadtime

主な機能

  • リアルタイムトラッキング: LoadTimeは読み込みプロセスのリアルタイムトラッキングを提供します。

  • プログレスバー: プログレスバーを表示し、処理がどれだけ完了し、まだどれだけ残っているかを示します。

  • 過去の読み込み時間キャッシュ:
    前回処理した時間をキャッシュしておくため、キャッシュされた情報を使用して、プログレスバーを提供します。

  • カスタマイズ可能な表示: LoadTimeは、自分のメッセージで進捗表示をカスタマイズすることができます。

基本的な使い方

サンプルコードを示します

import torch
from transformers import AutoTokenizer, AutoModelForCausalLM
from loadtime import LoadTime

model_path = "togethercomputer/RedPajama-INCITE-Chat-3B-v1"

model = LoadTime(name=model_path,
                 fn=lambda: AutoModelForCausalLM.from_pretrained(model_path, torch_dtype=torch.float16))()

tokenizer = AutoTokenizer.from_pretrained(model_path) # tokenizerはモデル読み込みの後で取得します

初期化パラメータ一覧

パラメータ 説明
name 長時間処理の名前を指定します。HuggingFace モデルの読み込み時はモデル名を指定します。
message 表示するメッセージを指定します。省略するとデフォルトのメッセージとなります。
pbar True に設定すると、プログレスバーとパーセンテージが表示されます。
dirname キャッシュ保存先のディレクトリ名を指定します。
hf True に設定すると、HuggingFace のモデル読み込み用の時間表示に使用します。まだモデルデータがディスクにダウンロードされていないときは、HuggingFace のローダーがダウンロード進捗を表示するため、本ライブラリからは表示しません。
fn 長時間処理をする関数を指定します。
fn_print 表示を行う関数を指定します。省略時はコンソールに出力されます。

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