[AI新規事業創出] Qualitegオリジナル、効果的な顧客課題の比較方法とは

顧客課題の比較方法について、市場規模調査や自社とのシナジー、実現可能性の検討が重要です。各課題に対し市場の潜在性、自社の既存事業との関連性、技術やコストの面から評価し、最終的に調査結果を得点化して比較することで、参入すべき市場を明確にします。

[AI新規事業創出] Qualitegオリジナル、効果的な顧客課題の比較方法とは

Qualiteg blogを訪問してくださった皆様、こんにちは。Micheleです。AIを活用した新規事業やマーケティングを手がけている私には、クライアントからよく寄せられる質問があります。AIを用いた事業展開を検討されている方々が共通して直面するであろう課題に対して、このブログを通じて私なりの解答をご提供したいと思います。


出てきた課題をどのように比較するべきかというお悩みもよくご相談いただきます。今回は顧客課題をどのように比較すべきか、という観点でお話ししたいと思います。

まずは代替ユースケースの市場規模調査を実施

今回抽出されたそれぞれの課題について、課題もしくはそのソリューションによってどのくらいの市場規模か獲得できるのかを調査します。

一見、直接関係の無いようなユースケースに見えたとしても、既にユーザーがその課題に対してお金を払って課題を解決している という観点では、「代替市場あり」 ということができますね。

今回は

「電気自転車の電源が切れてもステーションの位置がわかり、短時間でもきちんと運動した結果もわかってダイエットになると認識してもらうためにはどうするべきか」

を、顧客課題として確認するため、「短時間ダイエット市場」 について、市場規模を調べます。

次は自社の既存事業とのシナジー獲得を

次は、自社の既存事業とのシナジーがどのくらいあるかを検討しましょう。
今回新たに企画するサービスが、自社が保有している既存事業の技術や運営ノウハウ、ユーザー総などの顧客基盤を流用可能かを確認します。

全くすべて新規の領域ですと、自社のノウハウがないため、なかなかサービス企画や市場導入、マーケティングのハードルが上がってしまいます。そのため、自社がこの新規事業をやる意義があるのかという命題に答えるためにも、自社の既存事業とのシナジーについて検討しましょう。

イノベーションの成功には、企業固有の課題と可能性を的確に捉えることが不可欠です。株式会社Qualitegの Innovation-Crossは、企業の内部環境と外部環境を徹底的に分析し、最適な共創を設計するプログラム。業界動向、技術トレンド、競合状況などを多角的に調査し、「自社だけでは解決困難」な課題に対して、外部との協業による革新的なソリューションを提案します。

アイデアワークショップ、ハッカソン企画、最先端AI技術の活用など、多様なアプローチを駆使し、社内外のリソースを最適に組み合わせた価値創造を実現。経験豊富な専門コンサルタントが、御社の課題と可能性を深く理解した上で、確実な成果へと導きます。

続いて、自社の実現可能性について検討を

調査の最後のステップとして重要な実現可能性についてお話ししたいと思います。

そもそも

  • この市場は顧客の支払い性向がありそうなのか=マーケットとして成立しそうなのか
  • 自社が保有している技術でサービス開発ができそうか
  • 自社でできそうにない場合、依頼できる企業はいるのか
  • 依頼できる企業はいくらくらいの費用で対応してくれそうか
  • 開発コストと予想収益を比較して事業の利益が出そうか
  • 自社で提供できそうな販売価格は市場に受け入れられそうか

など、他社を含めた既存事業の有無や、それらの事業展開における課題、ユーザーニーズの確からしさ、ユーザーはどのくらいその課題に対して支払うのかや、自社技術の成熟度などを確認します。

最後に、調査結果を得点化して比較

それら調査結果を表に記入し、得点化して比較します。

a couple of blue and red mailboxes

自社にとって重要である指標を高得点に、それほどでもないものは低得点に設定sるうというように点数化してみましょう。

各種顧客課題やそれに対するソリューション案イメージを踏まえたリストに、自社として大事にしたい項目のそれぞれの得点が見えてくるため、おのずと自社が参入すべき市場があなたにも見えてきますよ。


コラムを最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。私たちQualitegは、AI技術や新規事業の企画方法に関する研修およびコンサルティングを提供しております。もしご興味をお持ちいただけた場合、また具体的なご要望がございましたら、どうぞお気軽にこちらのお問い合わせフォームまでご連絡くださいませ。

また、新規事業創出のステップを体得したいという方にご好評のワークショップも実施しております。それぞれの担当者の方が役員目線で事業を考えるという点にフォーカスしたトレーニング内容となっており、企画担当者の方だけではなく、カウンターパートのエンジニア、デザイナー、マーケターの方にもご受講いただけるコンテンツとなっております。

皆様からのお問い合わせを心よりお待ちしております。次回のコラムも、ぜひご期待くださいね。


navigation

Read more

Node.jsで大容量ファイルを扱う:AIモデルのような大きなデータ保存はストリーム処理使いましょう

Node.jsで大容量ファイルを扱う:AIモデルのような大きなデータ保存はストリーム処理使いましょう

こんにちは!今日はAIシステムのフロントサーバーとしてもよく使用するNode.jsについてのお話です。 AIモデルの普及に伴い、大容量のデータファイルを扱う機会が急増しています。LLMなどのモデルファイルやトレーニングデータセットは数GB、場合によっては数十、数百GBにも達することがあります。 一方、Node.jsはWebアプリケーションのフロントサーバーとして広く採用されており、データマネジメントやPythonで書かれたAIバックエンドとの橋渡し役としてもかなりお役立ちな存在です。 本記事では、Node.js v20LTSで5GB程度のファイルを処理しようとして遭遇した問題と、その解決方法について解説します。 Node.jsのバッファサイズ制限の変遷 Node.jsのバッファサイズ制限は、バージョンによって大きく変化してきました Node.jsバージョン サポート終了日 バッファサイズ上限 備考 Node.js 0.12.x 2016年12月31日 ~1GB 初期のバッファサイズ制限(smalloc.kMaxLength使用) Node.js 4.

By Qualiteg プロダクト開発部
AGI時代に向けたプログラマーの未来:役割変化とキャリア戦略

AGI時代に向けたプログラマーの未来:役割変化とキャリア戦略

はじめに 私がはじめてコードを書いたのは1989年です。 当時NECのPC88というパソコンを中古でかってもらい N-88 Basic というBASIC言語のコードをみようみまねで書いて動かしたあの日から何年経つのでしょうか。 当時、電波新聞社のマイコンBASICマガジンという雑誌があり、ベーマガにはいろんなパソコン向けのプログラムコードが掲載されていました。 そんなわけでもう35年以上趣味や仕事でプログラミングに従事していますが、開発環境、情報流通の仕組みには革命といっていいほどの変化、進化がおこりました。 しかしながら、そんな中でも、あくまでコードを書くのは「私」という生身の人間でした。 そうしたある種の古き良き時代は、いよいよ本格的に終わりを告げようとしています。 2023年ごろからのLLM技術の飛躍的進歩により、プログラミング業界は大きな転換期を迎えています。 特に、OpenAI o3,o1やClaude 3.5、Gemini2.0などの大規模言語モデル(LLM)の進化や、その先にある将来的な汎用人工知能(AGI)の出現は、プログラマーやAIエンジニアの役割に根

By Tomonori Misawa / CEO
PythonとWSL開発のトラブルシューティング: PyCharmとCondaの環境不一致問題

PythonとWSL開発のトラブルシューティング: PyCharmとCondaの環境不一致問題

こんにちは! 今回は、WSL上のConda環境をPyCharmから利用する際に発生した「同じ環境なのにパッケージリストが一致しない」という問題に遭遇したため、その原因と対策について書いてみたいとおもいます 問題の状況 開発の流れは以下のようなものでした 1. WSL環境でConda仮想環境を作成 2. その環境をPyCharmのプロジェクトインタプリタとして設定 3. 開発を進める中で奇妙な現象に気づく 具体的には、次のような不一致が発生していました * PyCharmのプロジェクト設定で表示されるpipパッケージのリスト * WSLでConda環境をアクティベートした後にpip listコマンドで表示されるパッケージのリスト これらが一致せず、「WSL側のシェルから直接インストールしたパッケージがPyCharmで認識されない」という問題が生じていました。 この手の問題でよくある原因は、PyCharm側がWSL側の更新を得るのに少し時間がかかったり、 Indexing が遅れているなどなのですが、今回はそれが原因ではありませんでした。 危険な「静かな

By Qualiteg プロダクト開発部
人気ゲーム「ヒット&ブロー」で学ぶ情報理論

人気ゲーム「ヒット&ブロー」で学ぶ情報理論

こんにちは! Qualiteg研究部です! 今日はAIにおいても非常に重要な情報理論について、Nintendo Switchの人気ゲーム「世界のアソビ大全51」にも収録されている「ヒット&ブロー」というゲームを題材に解説いたします! はじめに 論理的思考力を鍛える定番パズルゲームとして長年親しまれている「ヒット&ブロー」(海外では「Mastermind」として知られています)。 このゲームは一見シンプルながらも、その攻略には深い論理的アプローチが必要とされております。 本稿では、このゲームについて情報理論という数学的概念を用いてゲームの素性を分析する方法について掘り下げてみたいとおもいます。 さらに、この情報理論が現代の人工知能(AI)技術においてどのように活用されているかについても触れていきます。 ヒット&ブローのルール説明 ヒット&ブローは、相手が秘密に設定した色や数字の組み合わせを推測するゲームです。日本では主に数字を使った「数当てゲーム」として親しまれていますが、本記事では色を使ったバージョン(マスターマインド)に焦点を当てます。 Nintendo Sw

By Qualiteg 研究部