[AI新規事業創出]Qualitegが考える、アイディア出しの前にすべき競合サービス概要調査とは

競合サービス調査はアイディア創出前に重要で、市場ニーズと競合の戦略を理解するために行います。具体的には、サービス内容、価格設定、市場の魅力度や競合のビジネスモデルを詳細に分析し、自社の差別化ポイントを見つけるためです。大手企業は、M&Aの可能性も検討します。

[AI新規事業創出]Qualitegが考える、アイディア出しの前にすべき競合サービス概要調査とは

Qualiteg blogを訪問してくださった皆様、こんにちは。Micheleです。AIを活用した新規事業やマーケティングを手がけている私には、クライアントからよく寄せられる質問があります。AIを用いた事業展開を検討されている方々が共通して直面するであろう課題に対して、このブログを通じて私なりの解答をご提供したいと思います。


アイディア創出の前の市場調査ですが、自社ではなかなか調査のケイパビリティがない、時間が取れないなどのお困りごとをお伺いするケースが多いです。

今日は競合サービスの調査をどのようにすべきかというのを解説していきたいと思います。

競合サービス調査の目的とは

アイディアを出す前に、他社がどのようなサービスをいくらくらいの価格で展開し、どのようなビジネスを行っているかを調査することは非常に参考になります。また、競合サービスの状況や提供内容をふまえ、自社がとるべきポジションを検討することが可能ですので、アイディア出しの前には必ず競合サービスの調査をしましょう。

大手企業の場合はM&A余地も確認する

クライアント企業が大手企業様の場合は、私は一般の競合サービス調査に加えて、スタートアップ企業の調査も致します。その理由は、自社で新規サービスをいちから始める前に、スタートアップで既に実施しているサービスについて業務提携したり、M&Aをすることでいち早く自社事業として展開できることが可能だからです。

person in blue shirt writing on white paper

スタートアップはアイディアはよいが資金力がない、自社販路を拡げられないなどの課題もありますので、大手企業との業務提携について前向きなケースも多いです。このステップでは競合サービスの調達額や調達先を把握し、M&Aの余地を簡易的に確認してみましょう。

競合サービス調査の際の論点とは

競合サービス調査で確認すべきポイントは大きく分けると以下の二つです。

  1. 対象の市場やその事業の魅力度は高そうか?
  2. 自社で新規事業として参入する際のポイントは何か?

上記論点に答えられるための回答を見つけるために競合調査をしてみましょう。

企業が直面する課題には、未来への可能性が隠されています。株式会社Qualitegの Innovation-Crossは、現在の課題と未来の可能性を共創で結びつけるプログラム。企業の現状分析を通じて「自社だけでは解決困難」な課題を特定し、その背後にある未来の機会を見出します。

アイデアワークショップやハッカソン企画で創造的なソリューションを探索し、オープンイノベーションやパートナー開拓で外部の革新的リソースを活用。最先端AI技術の適用も含め、課題解決と未来創造を同時に実現する革新的なアプローチを設計します。経験豊富な専門コンサルタントが、御社の課題を未来への跳躍台に変える共創プロセスを導き、今日の問題解決と明日の競争優位確立を両立します。課題の向こうに広がる可能性を、共に切り拓きましょう。

対象の市場やその事業の魅力度の確認方法

市場や事業の魅力度という観点では、例えば、市場規模は大きいかを確認するため、直近5年の市場規模や、競合サービスのユーザー数などを確認し、他の類似市場と比較をします。

市場成長性に関しては、市場成長率に加え、本業界の新規参入企業数や、全体のユーザー拡大数などを調査しましょう。

業界の収益性については、一般的なビジネスモデルを確認し、競合他社のIR情報などを見ながら、該当事業の収益性を確認します。

自社で新規事業として参入する際のポイントの確認方法

まず初めに、競合のサービスはどのようなユーザーをターゲットとしているのかを確認しましょう。どのくらいの年代で、年間どのくらいの額をサービスに支払っているのか、ターゲットユーザーの属性情報なども調べてみましょう。

合わせて、一番重要なのが各社のサービス内容の調査です。それぞれがどんな提供価値を実現しているのか、何が差異化のポイントとなり、ユーザーのどのようなニーズにどのような形で答えているのかを明確化し、自社の戦略検討のための参考情報とします。

これらの情報があればあるほど、量が多いほど、アイディア創出時の質が上がりますので、競合他社のセールス担当になれるくらい詳しく情報を収集し、分析できるようにしてみてくださいね。


コラムを最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。私たちQualitegは、AI技術や新規事業の企画方法に関する研修およびコンサルティングを提供しております。もしご興味をお持ちいただけた場合、また具体的なご要望がございましたら、どうぞお気軽にこちらのお問い合わせフォームまでご連絡くださいませ。

また、新規事業創出のステップを体得したいという方にご好評のワークショップも実施しております。それぞれの担当者の方が役員目線で事業を考えるという点にフォーカスしたトレーニング内容となっており、企画担当者の方だけではなく、カウンターパートのエンジニア、デザイナー、マーケターの方にもご受講いただけるコンテンツとなっております。

皆様からのお問い合わせを心よりお待ちしております。次回のコラムも、ぜひご期待くださいね。


navigation

Read more

NVIDIA GeForce RTX 50xx with CUDA capability sm_120 is not compatible with the current PyTorch installation. が発生したとき

NVIDIA GeForce RTX 50xx with CUDA capability sm_120 is not compatible with the current PyTorch installation. が発生したとき

こんにちは、PyTorch 2.6.0 環境で以下のような問題が発生したときの対処方法について解説いたします。 NVIDIA GeForce RTX 5090 with CUDA capability sm_120 is not compatible with the current PyTorch installation. The current PyTorch install supports CUDA capabilities sm_50 sm_60 sm_70 sm_75 sm_80 sm_86 sm_90. 他のBlackwell GeForce の場合は以下のようなメッセージとなります。 NVIDIA GeForce RTX

By Qualiteg プロダクト開発部
OpenCV cv2.imwrite で発生する「_img.empty()」エラーと「動画安定化」による解決法

OpenCV cv2.imwrite で発生する「_img.empty()」エラーと「動画安定化」による解決法

こんにちは! 画像処理や動画解析の現場で広く利用されている OpenCV。 しかし実務で動画処理を行っていると、時折以下のようなエラーに遭遇することがあります。 cv2.error: OpenCV(4.11.0) /io/opencv/modules/imgcodecs/src/loadsave.cpp:929: error: (-215:Assertion failed) !_img.empty() in function 'imwrite' このエラーは、cv2.imwrite() に渡された画像が空(None またはサイズ0) の場合に発生します。 一見単純に見える問題ですが、背後には「入力動画の不安定さ」や「並列処理の競合」といった要因が潜んでいることが少なくありません。 本記事では、このエラーの発生原因を掘り下げ、実務で効果のある解決策として 「動画の安定化(正規化)」 を紹介します。 TL;

By Qualiteg プロダクト開発部
発話音声からリアルなリップシンクを生成する技術 第5回(前編):Transformerの実装と実践的な技術選択

発話音声からリアルなリップシンクを生成する技術 第5回(前編):Transformerの実装と実践的な技術選択

こんにちは!リップシンク技術シリーズもいよいよ終盤となりました。 前回(第4回)では、LSTMの学習プロセスと限界について詳しく解説しました。限られたデータでも効果的に学習できるLSTMの強みを理解する一方で、長距離依存の処理に限界があることも明らかになりました。そして、この問題を解決する革新的なアプローチとして、すべての位置の情報を同時に参照できるTransformerのSelf-Attention機構を紹介しました。 第5回の今回は、 Transformerの具体的なネットワーク設計から始め、その実装上の課題を明らかにします。(前編※) そして、LSTMとTransformerの長所を組み合わせたハイブリッドアプローチを紹介し、実際の製品開発における技術選択の指針を示します。最後に、感情表現への拡張という次なる挑戦についても触れていきます。(後編※) ※Transformerの仕組みは複雑であるため、第5回は前編と後編に分けて解説させていただく予定です。 1. Transformerベースのネットワーク設計 1.1 全体アーキテクチャ図 では、さっそく、Tran

By Qualiteg 研究部, Qualiteg コンサルティング
大企業のAIセキュリティを支える基盤技術 - 今こそ理解するActive Directory 第2回 ドメイン環境の構築

大企業のAIセキュリティを支える基盤技術 - 今こそ理解するActive Directory 第2回 ドメイン環境の構築

こんにちは、今回はシリーズ第2回ドメイン環境の構築 - 検証環境の構築手順について解説いたします! 連載の構成 第1章:基本概念の理解 - Active DirectoryとKerberos/NTLM認証の基礎 【★今回です★】第2章:ドメイン環境の構築 - 検証環境の構築手順 第3章:クライアントとサーバーのドメイン参加 - ドメイン参加の詳細手順 第4章:プロキシサーバーと統合Windows認証 第5章:ブラウザ設定と認証 - 各ブラウザでの設定方法 第6章:トラブルシューティング - よくある問題と解決方法 第7章:セキュリティとベストプラクティス - 本番環境での考慮事項 第8章:実践的な構成例 - AIセキュリティツールとの統合事例 第2章:ドメイン環境の構築 2.1 ドメイン名の設計 2.1.1 ドメイン名の命名規則 Active Directoryを構築する際、

By Qualiteg コンサルティング