[AI新規事業創出] Qualitegが考える、アイディア創造でやるべきこと、やってはいけないこと

私たちQualitegは、AI技術を活用したサービス開発を通じて、アイディア創造が新たな価値を生み出す基礎であると考えています。アイディア創造では、多様な視点を受け入れ、オープンマインドを持ち続けることが重要です。また、生成AIを活用しながら、異なる背景を持つチームメンバーからの積極的な参加を促します。早期のプロトタイピングと検証も推奨し、アイディアに固執せず、広い選択肢から最適なものを選び出す柔軟性を持つことが、成功への鍵です。

[AI新規事業創出] Qualitegが考える、アイディア創造でやるべきこと、やってはいけないこと

Qualiteg blogを訪問してくださった皆様、こんにちは。Micheleです。AIを活用した新規事業やマーケティングを手がけている私には、クライアントからよく寄せられる質問があります。AIを用いた事業展開を検討されている方々が共通して直面するであろう課題に対して、このブログを通じて私なりの解答をご提供したいと思います。


AI技術を活用したサービス開発を常に行っている、私たちQualitegは、アイディア創造は新たな価値を生み出す基礎であると考えています。今日は、アイディア創造の過程で実践すべきことと避けるべきことについて、具体的なアドバイスを共有させていただきたいと思います。

アイディア創造でやるべきこと

1. 多様な視点を受け入れる
アイディア創造は、多様な意見と多くの視点からの集めることが重要です。年齢、性別、バックグラウンドや職種など 異なる背景を持つチームメンバーに積極的に参加してもらうことで、新しい視点と斬新なアイディアが生まれます。

アイディア出しの段階ではその人が持っている知識量などは気にせず、アイディア出しの前に全員にリサーチ情報などを提供して高品質のインプットを行った後で、全員でアイディア創出をしましょう。

2. オープンマインドでアイディアを創造し続ける
アイディアブレストをする場合

「それはA社が既にやってるよね」

「そのアイディアは昔、僕も考えたけどやめたんだ」

などと、知識をひけらかしたい人ほど、批判的なコメントをする傾向が強く 、そのため、知識量が少ない人は委縮して発言をしなくなってしまいます。

初期段階での批判は創造的プロセスを妨げてしまい、チームの利益を損なってしまうことが多いので、チーム全員の創造性をステップアップさせるためにも、批判的な意見は出さないようにしましょう。

3.生成AIを活用する
各個人が保有している知識以上のものを持っている 生成AI を活用しましょう。
アイディア創造においては、生成AIの活用も極めて効果的です。

生成AIを活用することで、従来の枠を超えたアイディアや新しい視点が得られます。 AIは大量のデータから独自の提案を生成し、思いもよらない組み合わせや解決策を提示することが可能ですから、生成AIが出してきたアイディアをそのまま利用してもいいですが、そこに人間の知恵をエッセンスとして加えて、多様かつ斬新なアイディア創出を実行しましょう。

4. 早くプロトタイピングを行い検証する
ここは業種にもより、メーカーなどのコンサルティングをさせていただいている場合、皆さまアイディアが出た瞬間に簡易版のプロトを開発されるケースが多く、プロトを自分たちで見て、そのアイディアの良さを実感して次のステップに進まれる方が多いです。

(過去にはアイディアブレストにプロトをもってきてアイディアを発表される凄腕エンジニアの方もいらっしゃいました!)

メーカーでなくても、SaaSなどを検討される場合は、UIデザインのモックアップなどを作ったり、カスタマージャーニーを設計することで、ユーザーの利用イメージを可視化して、チームで認識合わせをして、確信を持てた状態で次のステップに進む ことをお勧めします。

このタイミングで企画担当だけで行うのもNGです。本当に作れるかわからないけど、妄想であったらいいなと思ったものをそのまま進めてしまっても、実際作れなくて企画がDropになってしまうケースが多いようです。

技術的実現可能性や、市場導入の実現可能性を早期段階で本質的に見極めておく必要がある ので、可能であればユーザビリティだけではなく、自社でできそうか、他社に依頼したらできそうかなどの感触を確認できる程度のフィジビリティスタディーもこの段階でできるとよいですね。

man walking beside graffiti wall

変化の激しい現代ビジネス環境において、持続的な成長には継続的なイノベーションが不可欠です。株式会社Qualitegの Innovation-Crossは、企業の長期的成長を見据えた共創支援プログラム。現状分析に基づく精緻な戦略策定から、外部との協業による革新創出の実行支援まで、包括的なサポートを提供します。

アイデアワークショップ、ハッカソン企画、AI技術活用など、多様なアプローチで「自社だけでは難しい」イノベーションを実現し、企業の競争優位性と持続可能な成長基盤を構築。経験豊富な専門コンサルタントが伴走し、短期的な成果と長期的な成長を両立する革新的な価値創造を実現します。今日の成功と明日の成長を、共創の力で。

アイディア創造でやってはいけないこと

1. 一つのアイディアに固執しない
アイディア創造のプロセスにおいて、柔軟性を保つことは非常に重要です。 創造的な思考では、多くの可能性を探求し、様々な角度からアイディアを評価することが求められます。

よくお話を聞くのが、

「上司が出したアイディアを忖度してそれの派生案だけで考えてしまう」

というケースです。会社生活において、上司にいい顔したいという気持ちもわからなくもないですが、よくないものにお世辞で「いいね」と言っても、後で売れないサービスを作ってしまって困るのは、その上司ですから、良いと思わないなら、代替案を出すべきでしょう。

特定のアイディアに固執しすぎると、他の有望な選択肢や、もっと効果的な解決策を見落としてしまうリスクがあります。時間もその特定のアイディアだけに使ってしまってはもったいないですよね。

あくまでも幅広い選択肢の中から、後で最適なものを選び出すことがKey なので、この段階では一つのアイディアに固執せずに、幅広く多くのアイディアを出すようにしましょう。

2.その場ですぐにアイディアを判断しない
アイディアをその場ですぐに良し悪しを判断するのは避けましょう。初期のアイディアはキーワードベースでユースケースなど特定できていないのに、その場で、

「それはどういうこと?おかしいよね」

「それって既にB社がやってるじゃん」

などと言って、アイディアを判断したがる人が非常に多いです。

メルカリはスタートアップから誕生しましたが、もしも大企業だったら

「それって、ヤフオクと一緒じゃん」

って言われてしまって、この世に生まれなかったかもしれません。

将来何億円と売り上げを上げるであろうサービスを数秒で考えられるというケースもなかなかないでしょうから、アイディアは後でしっかり練り上げ、時間をかけてアップデートし、磨きこむ必要がある のです。

また、キーワードベースで判断してしまい、例えば
そのサービスの類似サービスを他社がやっていたとしても、それは市場性がある
ということですし、

ユーザー体験の良し悪しでサービス内容は異なるように見えるというのが、私たちQualitegの考えです。

最初に思いついた単純なアイディアが議論し続けることで革新的な解決案となるサービスになることも非常に多いです。そのため、このフェーズでアイディアをすぐに判断することはお勧めできません。


コラムを最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。私たちQualitegは、AI技術や新規事業の企画方法に関する研修およびコンサルティングを提供しております。もしご興味をお持ちいただけた場合、また具体的なご要望がございましたら、どうぞお気軽にこちらのお問い合わせフォームまでご連絡くださいませ。

また、新規事業創出のステップを体得したいという方にご好評のワークショップも実施しております。それぞれの担当者の方が役員目線で事業を考えるという点にフォーカスしたトレーニング内容となっており、企画担当者の方だけではなく、カウンターパートのエンジニア、デザイナー、マーケターの方にもご受講いただけるコンテンツとなっております。

皆様からのお問い合わせを心よりお待ちしております。次回のコラムも、ぜひご期待くださいね。


navigation

Read more

大企業のAIセキュリティを支える基盤技術 - 今こそ理解するActive Directory 第1回 基本概念の理解

大企業のAIセキュリティを支える基盤技術 - 今こそ理解するActive Directory 第1回 基本概念の理解

こんにちは! 今回から数回にわたり Active Directory について解説してまいります。 Active Directory(AD:アクティブディレクトリー)は、Microsoft が開発したディレクトリサービスであり、今日の大企業における IT インフラストラクチャーにおいて、もはやデファクトスタンダードと言っても過言ではない存在となっており、組織内のユーザー、コンピューター、その他のリソースを一元的に管理するための基盤として広く採用されています。 AIセキュリティの現実:単独では機能しない ChatGPTやClaudeなどの生成AIが企業に急速に普及する中、「AIセキュリティ」という言葉が注目を集めています。情報漏洩の防止、不適切な利用の検知、コンプライアンスの確保など、企業が取り組むべき課題は山積みです。 しかし、ここで注意しなければいけない事実があります。それは、 AIセキュリティソリューションは、それ単体では企業環境で限定的な効果しか期待できない ということです。 企業が直面する本質的な課題 AIセキュリティツールを導入する際、企業のIT部門

By Qualiteg コンサルティング
自治体総合フェア2025に出展いたしました

自治体総合フェア2025に出展いたしました

こんにちは! 先週開催された自治体総合フェア2025に出展いたしましたので、写真で様子をふりかえりながら簡単にレポートいたします! 自治体総合フェア2025 開催概要 自治体総合フェアは公民連携の総合展示会で今年はは2025/7/16~18まで東京ビッグサイトにて開催されました。 株式会社 Qualiteg の出展内容 当社からは4名体制でAIアバター動画生成サービス「MotionVox™」をはじめ、LLMセキュリティソリューション「LLM-Audit™」、企業・自治体向けセキュアチャットサービス「Bestllam🄬」の展示をさせていただきました。 デモ内容 当日のご紹介内容の一部をご紹介いたします MotionVox™ MotionVox は、まるで、本物の人間のようなフォトリアリスティックなアバター動画を生成するサービスです。 これまでから機能を大幅拡張した MotionVox 2.0 をお披露目いたしました。 MotionVox 2.0では、以下のようなフィーチャーを追加いたしました! * まるで人間! リアリティをさらに向上したアバター *

By Qualiteg ビジネス開発本部 | マーケティング部
発話音声からリアルなリップシンクを生成する技術 第3回:wav2vec特徴量から口形パラメータへの学習

発話音声からリアルなリップシンクを生成する技術 第3回:wav2vec特徴量から口形パラメータへの学習

こんにちは! 前回までの記事では、 * wav2vecを用いた音声特徴量抽出の仕組み(第1回)と、 * リップシンク制作における累積ドリフトの補正技術(第2回) について解説してきました。今回はいよいよ、これらの技術を統合して実際に音声から口の動きを生成する核心部分に踏み込みます。 本記事で扱うのは、wav2vecが抽出した768次元の音響特徴量を、26個の口形制御パラメータの時系列データに変換する学習プロセスです。これは単なる次元削減ではありません。音の物理的特性を表す高次元ベクトルから、人間の口の動きという全く異なるモダリティへの変換なのです。この変換を実現するには、音韻と視覚的な口形の間にある複雑な対応関係を、ニューラルネットワークに学習させる必要があります。 特に重要なのは、この対応関係が静的ではなく動的であるという点です。同じ音素でも前後の文脈によって口の形が変わり、さらに音が聞こえる前から口が動き始めるという時間的なズレも存在します。これらの複雑な現象をどのようにモデル化し、学習させるのか。本記事では、LSTMとTransformerという2つの強力なアプロー

By Qualiteg 研究部
AI時代のデータ漏洩防止の要諦とテクノロジー:第1回 AI DLPとPROXY

AI時代のデータ漏洩防止の要諦とテクノロジー:第1回 AI DLPとPROXY

こんにちは!本日はAI時代のデータ漏洩防止について、とくにその通信技術面に焦点をあてつつ、AIセキュリティにどのように取り組んでいくべきか、解説いたします。 1. はじめに 生成AIの急速な普及により、企業のデータガバナンスは新たな局面を迎えています。ChatGPTやClaudeといった大規模言語モデル(LLM)は、業務効率を飛躍的に向上させる一方で、意図しない機密情報の漏洩という深刻なリスクをもたらしています。 従業員が何気なく入力した顧客情報や営業秘密が、AIサービスの学習データとして使用される可能性があることを、多くの組織はまだ十分に認識していません。従来のDLP(Data Loss Prevention)ソリューションは、メールやファイル転送を監視することには長けていましたが、リアルタイムで行われるWebベースのAIチャットやAIエージェントとの対話で発生しうる新しい脅威には対応できていないのが現状です。 本記事では、AI時代のデータ漏洩防止において中核となる技術、特にHTTPS通信のインターセプトとその限界について、技術的な観点から詳しく解説します。プロキシサーバー

By Qualiteg プロダクト開発部, Qualiteg コンサルティング