[AI新規事業創出]Qualitegが考える、仮説探索の為のインタビュー結果示唆出し方法とは

多くのクライアントが仮説探索インタビュー後の分析を怠りがちです。インタビュー結果をデータ化し、テーマごとにカテゴライズして深く分析することで、パターンや洞察を抽出し、具体的な示唆を開発チームに報告するプロセスが重要です。

[AI新規事業創出]Qualitegが考える、仮説探索の為のインタビュー結果示唆出し方法とは

Qualiteg blogを訪問してくださった皆様、こんにちは。Micheleです。AIを活用した新規事業やマーケティングを手がけている私には、クライアントからよく寄せられる質問があります。AIを用いた事業展開を検討されている方々が共通して直面するであろう課題に対して、このブログを通じて私なりの解答をご提供したいと思います。


せっかく仮説探索インタビューをしてもそのあとのインタビュー分析をしないクライアント企業が多く、インタビュー分析の重要性についてアドバイスさせていただくことが多いです。

本日は、仮説探索インタビューの分析手法について解説させていただきます。

まずはデータの整理と分類をしましょう

まず、インタビューから得られた全てのデータをまとめ、テキスト化します。これには、音声録音の書き起こしや、メモのデジタル化が含まれますが、おすすめはあとで分類しやすくするために、それぞれの意見をポストイットやオンラインポストイットに書きだししてみてください。

次に、それぞれの発言データをテーマやカテゴリーに基づいて分類します。これにより、関連する情報が集約され、分析しやすくなります。例えば、ユーザーの悩み、好み、使用状況などのテーマごとにデータを整理して、カテゴライズしていきます。

person in gray shirt holding white printer paper

発言録をもとに深い分析と洞察の抽出を実施しましょう

分類されたデータを基に、深い内容分析を行います。ここで、特定のパターン、頻繁に出現するテーマ、意外な意見などを特定します。

データから洞察を抽出する際には、直感だけでなく、データに基づいた論理的な推論を用いて、なぜそのような意見が出たのか、その背後にある理由を探ります。参加者のコメントや、もともと聞いていた参加者の属性情報などからユーザーのニーズや問題点を読み解きます。

イノベーション創出の鍵は、企業内部の強みと外部リソースの最適なバランスにあります。株式会社Qualitegの Innovation-Crossは、その絶妙なバランスを設計する共創支援プログラム。企業の現状と潜在力を徹底分析し、内部で伸ばすべき領域と外部に求めるべき領域を明確化します。

アイデアワークショップで社内の創造性を引き出しながら、オープンイノベーションやパートナー開拓で「自社だけでは補えない」要素を外部から取り込む—このバランスのとれたアプローチで、真の革新を実現。経験豊富な専門コンサルタントが、御社の特性に合わせた最適な内外リソースの組み合わせを設計し、持続可能なイノベーション創出の仕組みを構築します。内と外の力を掛け合わせる、この相乗効果が未来を創ります。

示唆の整理ができたら、開発チームと事業責任者に報告を

抽出した洞察をもとに、具体的な示唆を整理します。これは、仮説を再構築するための基盤となる情報です。

たとえば、事例で上げたA社の都市部で忙しく働くビジネスマンの生活充実度を向上させるサービスを検討のため、「自身のキャリアアップのためにサポートができるサービス」の競合サービスから、ユーザーのインサイトを分析するという想定でお話ししましょう。

なぜ今、キャリアアップが必要と考えているのか、自身の職場の環境が厳しくなってきている、試しに転職サービスに登録してみたが、思うような仕事の紹介がない、同期がMBAを取得して転職を実現したなど、ユーザーがいまキャリアアップが必要と考えている背景は、このような理由があるから、自身の気持ちが動かされたのだということを明確化する必要があります。

情報が整理できた後には、この分析結果を報告するステップが必要です。示唆を報告する際には、クリアで理解しやすい形で、どのようにこれらの洞察が元の仮説に影響を与えるかを説明します。

ユーザーが抱えている真の課題は何か、それらに対して自社はどのようなソリューションの展開が可能か、具体的にイメージしながら報告資料を作成してみてください。


コラムを最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。私たちQualitegは、AI技術や新規事業の企画方法に関する研修およびコンサルティングを提供しております。もしご興味をお持ちいただけた場合、また具体的なご要望がございましたら、どうぞお気軽にこちらのお問い合わせフォームまでご連絡くださいませ。

また、新規事業創出のステップを体得したいという方にご好評のワークショップも実施しております。それぞれの担当者の方が役員目線で事業を考えるという点にフォーカスしたトレーニング内容となっており、企画担当者の方だけではなく、カウンターパートのエンジニア、デザイナー、マーケターの方にもご受講いただけるコンテンツとなっております。

皆様からのお問い合わせを心よりお待ちしております。次回のコラムも、ぜひご期待くださいね。


navigation

Read more

大企業のAIセキュリティを支える基盤技術 - 今こそ理解するActive Directory 第1回 基本概念の理解

大企業のAIセキュリティを支える基盤技術 - 今こそ理解するActive Directory 第1回 基本概念の理解

こんにちは! 今回から数回にわたり Active Directory について解説してまいります。 Active Directory(AD:アクティブディレクトリー)は、Microsoft が開発したディレクトリサービスであり、今日の大企業における IT インフラストラクチャーにおいて、もはやデファクトスタンダードと言っても過言ではない存在となっており、組織内のユーザー、コンピューター、その他のリソースを一元的に管理するための基盤として広く採用されています。 AIセキュリティの現実:単独では機能しない ChatGPTやClaudeなどの生成AIが企業に急速に普及する中、「AIセキュリティ」という言葉が注目を集めています。情報漏洩の防止、不適切な利用の検知、コンプライアンスの確保など、企業が取り組むべき課題は山積みです。 しかし、ここで注意しなければいけない事実があります。それは、 AIセキュリティソリューションは、それ単体では企業環境で限定的な効果しか期待できない ということです。 企業が直面する本質的な課題 AIセキュリティツールを導入する際、企業のIT部門

By Qualiteg コンサルティング
自治体総合フェア2025に出展いたしました

自治体総合フェア2025に出展いたしました

こんにちは! 先週開催された自治体総合フェア2025に出展いたしましたので、写真で様子をふりかえりながら簡単にレポートいたします! 自治体総合フェア2025 開催概要 自治体総合フェアは公民連携の総合展示会で今年はは2025/7/16~18まで東京ビッグサイトにて開催されました。 株式会社 Qualiteg の出展内容 当社からは4名体制でAIアバター動画生成サービス「MotionVox™」をはじめ、LLMセキュリティソリューション「LLM-Audit™」、企業・自治体向けセキュアチャットサービス「Bestllam🄬」の展示をさせていただきました。 デモ内容 当日のご紹介内容の一部をご紹介いたします MotionVox™ MotionVox は、まるで、本物の人間のようなフォトリアリスティックなアバター動画を生成するサービスです。 これまでから機能を大幅拡張した MotionVox 2.0 をお披露目いたしました。 MotionVox 2.0では、以下のようなフィーチャーを追加いたしました! * まるで人間! リアリティをさらに向上したアバター *

By Qualiteg ビジネス開発本部 | マーケティング部
発話音声からリアルなリップシンクを生成する技術 第3回:wav2vec特徴量から口形パラメータへの学習

発話音声からリアルなリップシンクを生成する技術 第3回:wav2vec特徴量から口形パラメータへの学習

こんにちは! 前回までの記事では、 * wav2vecを用いた音声特徴量抽出の仕組み(第1回)と、 * リップシンク制作における累積ドリフトの補正技術(第2回) について解説してきました。今回はいよいよ、これらの技術を統合して実際に音声から口の動きを生成する核心部分に踏み込みます。 本記事で扱うのは、wav2vecが抽出した768次元の音響特徴量を、26個の口形制御パラメータの時系列データに変換する学習プロセスです。これは単なる次元削減ではありません。音の物理的特性を表す高次元ベクトルから、人間の口の動きという全く異なるモダリティへの変換なのです。この変換を実現するには、音韻と視覚的な口形の間にある複雑な対応関係を、ニューラルネットワークに学習させる必要があります。 特に重要なのは、この対応関係が静的ではなく動的であるという点です。同じ音素でも前後の文脈によって口の形が変わり、さらに音が聞こえる前から口が動き始めるという時間的なズレも存在します。これらの複雑な現象をどのようにモデル化し、学習させるのか。本記事では、LSTMとTransformerという2つの強力なアプロー

By Qualiteg 研究部
AI時代のデータ漏洩防止の要諦とテクノロジー:第1回 AI DLPとPROXY

AI時代のデータ漏洩防止の要諦とテクノロジー:第1回 AI DLPとPROXY

こんにちは!本日はAI時代のデータ漏洩防止について、とくにその通信技術面に焦点をあてつつ、AIセキュリティにどのように取り組んでいくべきか、解説いたします。 1. はじめに 生成AIの急速な普及により、企業のデータガバナンスは新たな局面を迎えています。ChatGPTやClaudeといった大規模言語モデル(LLM)は、業務効率を飛躍的に向上させる一方で、意図しない機密情報の漏洩という深刻なリスクをもたらしています。 従業員が何気なく入力した顧客情報や営業秘密が、AIサービスの学習データとして使用される可能性があることを、多くの組織はまだ十分に認識していません。従来のDLP(Data Loss Prevention)ソリューションは、メールやファイル転送を監視することには長けていましたが、リアルタイムで行われるWebベースのAIチャットやAIエージェントとの対話で発生しうる新しい脅威には対応できていないのが現状です。 本記事では、AI時代のデータ漏洩防止において中核となる技術、特にHTTPS通信のインターセプトとその限界について、技術的な観点から詳しく解説します。プロキシサーバー

By Qualiteg プロダクト開発部, Qualiteg コンサルティング