[AI新規事業創出]Qualitegが考える、新規事業開発におけるゴール設定方法とは

新規事業開発のゴール設定には5つのステップがあります。1) MVV分析で企業の使命とビジョンを明確化、2) 新規事業承認の基準を考慮、3) 競合調査、4) 定量的ゴールの設定、5) 新規事業方向性シートの作成。これらのステップにより、明確なゴール設定と効果的な事業開発が可能となります。

[AI新規事業創出]Qualitegが考える、新規事業開発におけるゴール設定方法とは

Qualiteg blogを訪問してくださった皆様、こんにちは。Micheleです。AIを活用した新規事業やマーケティングを手がけている私には、クライアントからよく寄せられる質問があります。AIを用いた事業展開を検討されている方々が共通して直面するであろう課題に対して、このブログを通じて私なりの解答をご提供したいと思います。


新規事業開発のためのゴール設定のための5つの検討ステップ

新規事業開発のためのゴール設定には5つのステップで検討していくのがよいでしょう。このフェーズでは、ゴールや計画等、新規事業推進の土台となるものを定義していきます。

このフェーズは、デスクトップリサーチや可能であれば、定性インタビュー等の調査を実施し、いくつかの課題やターゲット仮説を形作り、ゴールを設定していくフェーズになります。

Step1:MVV分析

Qualitegが一番最初にお勧めするのは、MVV分析から入る方法です。

MVVとは、ミッション、ビジョン、バリューのことで、各社で設定している、使命、理念、行動指針のことです。まず、ミッションはその組織が存在する意義や目的について書かれています。

すなわち、企業で新規事業を創出することは、その企業の目的に沿っている必要があるため、自社は何のために存在しているのか、何を目標として事業展開していくのか、企業の価値観や価値基準を明確化してそれにミートした新規事業を考えていく必要があります。

よく思い付きのアイディアで新規事業を企画したが、役員に「なぜうちでやる必要があるのか」と聞かれて答えられなくて断念したというお話をよくクライアント企業様からお伺いしますが、理由はこれです。その新規事業は自社でやる意義があるのか、それにこたえる必要があるので、最初に自社のMVVを把握しましょう。

真のイノベーションは、短期的な成果と長期的な持続可能性を両立させるものです。株式会社Qualitegの Innovation-Crossは、この難しいバランスを実現する共創支援プログラム。企業の現状分析をもとに、即効性のある施策と長期的な革新基盤構築を組み合わせた戦略を策定します。

アイデアワークショップやハッカソン企画を通じて短期的な成果を生み出しながら、オープンイノベーションやパートナー開拓で「自社だけでは構築困難」な長期的なイノベーション・エコシステムを確立。最先端AI技術の活用支援も含め、経験豊富な専門コンサルタントが、目の前の成果と未来への持続性を両立する革新創出の仕組みを設計します。今日の成功と明日の可能性を、共創の力で同時に実現します。

Step2:新規事業承認判断軸検討

なぜ新規事業を今企画しているでしょうか。クライアント企業のお客様にお伺いしたときに、実は答えに詰まってしまう方も多いです。一番正直にお答えいただく回答が「役員に、新規事業を企画しろっていわれたので」とおっしゃる方が多いのですが、「ではそれは、なぜですか?」とお伺いするとそこで止まってしまう方が多いのが現状です。

新規事業を企画してと上の方に言われて、「はい」と答えるのはもちろん必要ですが、それは何のためか、例えば自社の売上拡大のためか、新しい事業の柱を作るためなのか、競合が事業を始めたから自社も即座に市場展開したいからなのか、SDGs観点で社会貢献を伝えたいからなのか、採用強化のために学生にわかりやすいメッセージを出したいからなのか、など理由は様々あると思います。

新規事業を企画して役員に承認を頂くためには、まずこの新規事業を何のために行い、何ができればOKなのか(=新規アイディアの事業化承認となるのか)を明確にしましょう。

brown wooden smoking pipe on white surface

Step3:競合サービス概要調査

自社の新規事業の方向性が決まったら次は競合調査を行いましょう。正直申し上げて、新規事業を検討するのになぜ他社を確認する必要があるのかと質問してくださるクライアントも多いです。

私は「イノベーションは模倣から」という言葉を大切にしています。まったくの新規アイディアはブルーオーシャンだ!と言われる方も多いのですが、そこには市場性がないからその事業をやっていないだけというケースも多々あります。

新規事業と言っても、近接ユースケースは存在します。何かの欲求・何かの支払いしていたものに変わって自社のサービスを選んで買っていただくわけですから、その「何か」を明らかにする必要があるのです。

また、直接的な代替ユースケースではなくても、ビジネスモデルとしてお金の流れの参考になる事例や、技術の応用化として参考になる事例も多いと思いますので、拙速にアイディア出しをするのではなく、腰を据えて、できれば2週間はかけてみっちり調査をしていただくことをお勧めいたします。

Step4 : 定量的ゴール定義

ここでは、Step1から3で決めた方向性について、どのようなインパクトをどの程度、自社や世の中や社会に与えたいかを数値目標を決めましょう。

例えば、採用強化が目的であれば、採用面接でこの事業を担当したいと希望した学生がXX人応募してきた、というのを定量的ゴール設定にしてもよいですし、自社の販路拡大が目的であれば、自社サービスを取り扱うパートナー企業のサービス展開プレスリリース発信件数XX件を目標にするというのでもよいです。

group of people using laptop computer

あくまでもこの新規事業を何のためにやるのか、それらを達成したとみなす基準は測れるものとして何が何件なのかあらかじめ決めることが重要です。

よく「事前に目標を数値で設定するのは達成しないと困るから決めたくない」とおっしゃる方がクライアントの中でも中間管理職の方に多いです。(一方、担当者の方はアグレッシブな目標設定をしてくださる方も多いです(^^))

Qualitegではこのタイミングで強く、数値目標を設定することをアドバイスさせていただいております。その理由は(もちろんクライアント企業の社風にもよるのですが)新規事業は成功すると「俺がやった」と言い出す方が沸き出てくる企業も多いのが正直なところで、残念ながら成果を横取りされてしまわれる方を多く見てきた、というのもあります。

そのため、最初からご自身が企画され、そして成功した(=事前に設定した数値目標を達成した)と証明する仕組みをあらかじめ備えておく必要があると考え、このようにアドバイスさせていただいております。

Step5 : 新規事業方向性シートまとめ

Step5まで来ましたら、ゴール設定のゴールはもうすぐです♪

man jump about to hold ball near net

今まで調査された内容、自社で事業化を承認するにはこのようなクライテリアで判断するなどをドキュメントとしてまとめましょう。

なぜここでドキュメント化する必要があるのかというと、このドキュメントをもって役員に「このアプローチで新規事業を検討するがよいでしょうか」と承認を取る必要があるためです。

ここでアプローチに関して承認をとっておけば、あとで「思っていたのと違う、そうじゃないんだよね」などと企画案について”ふんわりしたダメ出し”をされることはなくなります(笑)。

また、持ち込んだ企画案がたとえNGだったとしてもここで設定したクライテリアをもとに判断した結果XXXの部分が意向と異なる、など、的確に判断され、理由が明らかになるため、今後に向けた改善点がクリアになるというメリットがあります。しっかりこのタイミングで役員と合意形成をいたしましょう。

Step1~Step5のそれぞれの詳細については別のブログで紹介させていただきますが、ゴール設定の流れとしてはこのような形になります。いかがでしたでしょうか。


コラムを最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。私たちQualitegは、AI技術や新規事業の企画方法に関する研修およびコンサルティングを提供しております。もしご興味をお持ちいただけた場合、また具体的なご要望がございましたら、どうぞお気軽にこちらのお問い合わせフォームまでご連絡くださいませ。

また、新規事業創出のステップを体得したいという方にご好評のワークショップも実施しております。それぞれの担当者の方が役員目線で事業を考えるという点にフォーカスしたトレーニング内容となっており、企画担当者の方だけではなく、カウンターパートのエンジニア、デザイナー、マーケターの方にもご受講いただけるコンテンツとなっております。

皆様からのお問い合わせを心よりお待ちしております。次回のコラムも、ぜひご期待くださいね。


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