[ChatStream] rinna/nekomata-14b-instruction 用の ChatPromptクラス

[ChatStream] rinna/nekomata-14b-instruction 用の ChatPromptクラス

2023/12/21 に発表された rinna/nekomata-14b-instruction 用の ChatPrompt をご紹介します

nekomataシリーズは Qwen をベースモデルしているおり、語彙サイズが 15.2万とこれまでより大幅に大きいため、日本語対応にもおおいに期待できそうですね

今回はInstructionチューニングされたモデルをChatStreamのチャットモードで利用するためのChatPromptを作りました。

設計思想としましては、あるタスクとChatPrompt を対応させる、という考え方です。簡単にいうと、1つのChatPromptは1つの仕事に特化させる、というところでしょうか。

たとえば、今回は、「翻訳」というタスクに特化した ChatPrompt の例です。

これにより 翻訳 というタスクに対して、 「入力」と「出力」というをチャットインタフェースを通して行います。

from chatstream import AbstractChatPrompt
from chatstream.chat_prompt.prompt_ttl import PromptTTL


class ChatPromptRinnaNekomata(AbstractChatPrompt):

    def __init__(self):
        super().__init__()

        system_message = "以下は、タスクを説明する指示と、文脈のある入力の組み合わせです。要求を適切に満たす応答を書きなさい。"
        instruction_message = "次の日本語を英語に翻訳してください。"
        self.set_system(f"{system_message}\n\n### 指示:\n{instruction_message}")
        self.set_requester("入力")
        self.set_responder("応答")
        self.set_prompt_ttl(PromptTTL.SINGLE_TURN)

    def get_stop_strs(self):
        if not self.chat_mode:
            return None
        return ["<|endoftext|>"]

    def get_replacement_when_input(self):
        return None

    def get_replacement_when_output(self):
        return None

    def create_prompt(self, opts={}):
        if not self.chat_mode:
            return self.get_requester_last_msg()

        ret = self.system + "\n\n"
        for chat_content in self.get_contents(opts):

            chat_content_role = chat_content.get_role()
            chat_content_message = chat_content.get_message()

            if chat_content_role:

                if chat_content_message:
                    merged_message = f"### {chat_content_role}:\n" + chat_content_message + "\n\n"
                else:
                    merged_message = f"### {chat_content_role}:\n"

                ret += merged_message

        return ret

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