革新的なコード生成LLM "Codestral Mamba 7B" を試してみた

革新的なコード生成LLM "Codestral Mamba 7B" を試してみた

今日は、2024年7月16日にリリースされた新しいコード生成LLM、"mistralai/mamba-codestral-7B-v0.1"(通称:Codestral Mamba 7B)を試してみました。

このモデルは、新しいMambaアーキテクチャを採用しており、Apache2ライセンスで公開されています。

コード生成のSOTAモデルに迫る性能

Mamba アーキテクチャを採用した Codestral 7B ですが、Human Eval で 75% を達成しており、Transformerベースのコード生成 SOTA モデルと同等のパフォーマンスを実現しています。

さらに、シーケンス長に対しての処理劣化がないため、かなり期待のできるモデル&アーキテクチャといえますね。

動画にまとめています

"mistralai/mamba-codestral-7B-v0.1" の試用レポートはこちらの動画にもまとめてありますので、よろしければ、こちらもご覧くださいませ

Codestral Mamba 7Bの特徴

  1. 無限の長さのシーケンスをモデル化する能力
  2. 長いシーケンスでも高速処理が可能
  3. Transformerベースの最高性能モデルと同等のパフォーマンス

実験内容

  1. Pythonプログラムの生成
    • 1から1000までの和の計算
    • 1から100までの偶数の表示
    • フィボナッチ数列の生成
    • 摂氏から華氏への変換
    • ランダムパスワードの生成
    • リスト内の2番目に大きい数の抽出
  2. コード補完
    • 文字列反転関数
    • 平均計算関数
    • リストのフラット化関数
    • BMI計算関数
  3. 長文指示によるコード生成
    • Mistral LLMを使用した対話型チャットの作成

結果

Codestral Mamba 7Bは、各タスクにおいて満足のいく出力をだしてくれました。プログラムの生成では正確なコードを出力し、コード補完では適切な実装を提案してくれました。長文指示に対しても、APIを使用した対話型チャットのコードを生成するなど、柔軟な対応を見せてくれていました。

まとめ

今回はCodestral Mamba 7Bのファーストルックレポートをお届けいたしました。

様々なPythonプログラムの生成や関数の補完を通じて、その性能の高さと可能性を実感することができました。

まだ、本格的なコード生成を試せていないため、これから実務レベルのコードが生成できるのか、という観点でさらに試してみたいと思います!

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