[vLLM] To use CUDA with multiprocessing, you must use the 'spawn' start method の対処法

[vLLM] To use CUDA with multiprocessing, you must use the 'spawn' start method の対処法
Photo by Andy Holmes / Unsplash

WSLで vLLM を使用するとき、 tensor parallel を使って複数枚のGPUで1つのLLMをサーブしようとしたとき以下のようなエラーが発生しがちです

RuntimeError: Cannot re-initialize CUDA in forked subprocess. To use CUDA with multiprocessing, you must use the 'spawn' start method

遭遇するシーンとしてはvLLMの起動オプションに以下のようにテンソル並列化オプションを指定したときです。

--tensor-parallel-size 2

つまり、マルチプロセッシングでCUDA使うときは、 "fork"じゃなくて"spawn" 使ってね、というエラーです。

これを vLLM に教えるために、以下の2行目のように環境変数を設定してあげるとvLLMが "spawn" を使ってくれるようになります。

export CUDA_VISIBLE_DEVICES=0,1
export VLLM_WORKER_MULTIPROC_METHOD=spawn

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