Qualitegセレクション:アイディア創造編⑥Creative Matrixの活用術

Qualitegセレクション:アイディア創造編⑥Creative Matrixの活用術

Qualiteg blogを訪問してくださった皆様、こんにちは。Micheleです。AIを活用した新規事業やマーケティングを手がけている私には、クライアントからよく寄せられる質問があります。AIを用いた事業展開を検討されている方々が共通して直面するであろう課題に対して、このブログを通じて私なりの解答をご提供したいと思います。


アイデアに行き詰まった時に!Creative Matrixを活用して可能性を広げよう

新しいプロジェクトを立ち上げるとき、既存のサービスに革新を起こしたいとき、斬新なアイデアが必要になりますよね。しかし、なかなか良いアイデアが浮かばず、行き詰まってしまうことも少なくありません。そんな時に役立つのが「Creative Matrix(クリエイティブマトリックス)」です。

Creative Matrixとは

Creative Matrixは、既存の要素を組み合わせたり、異なる視点から考えることで、新しいアイデアを生み出すためのフレームワークです。縦軸と横軸にそれぞれ異なる要素を配置し、その交点に生まれる組み合わせから発想を広げていきます。

具体的には、縦軸と横軸に異なる要素を配置し、それらの交点から新しいアイデアを生み出す手法です。通常、縦軸には「ユーザーニーズ」や「問題点」を、横軸には「技術」や「リソース」などを配置します。この2つの軸の交点に着目することで、従来では思いつかなかった斬新なアイデアが浮かび上がってくるのです。アイデアの網羅性と多角的な視点からの検討が可能になりますので、一人でやっても効果はありますし、複数人と議論しながら表に入れていくと思いもよらなかったアイディアが出たり、お互いのアイディアに乗っかって想像できなかったアイディアがでるので非常にワークとしても楽しいです。

私が担当させていただくコンサルティングや新規事業創出ワークショップでも皆さんが一番気に入ってくださるのがこのCreative Matrixですので、今日はぜひご紹介させてください。

具体的な活用方法

  1. テーマを設定する: まず、どんなテーマでアイデアを出したいのかを明確にします。例えば、「新しいカフェのメニュー開発」「既存サービスの顧客満足度向上」などです。
  2. 軸を設定する: テーマに関連する要素を、縦軸と横軸にそれぞれ設定します。例えば、カフェのメニュー開発であれば、縦軸に「食材(コーヒー、紅茶、フルーツなど)」、横軸に「調理法(ホット、アイス、スムージーなど)」を設定するなどが考えられます。
  3. マトリックスを作成する: 縦軸と横軸の要素を組み合わせたマトリックスを作成します。
  4. アイデアを brainstorming する: 各交点に、具体的なアイデアを書き込んでいきます。例えば、「コーヒー×ホット」であれば、「エスプレッソ」「カフェラテ」などが考えられます。
  5. アイデアを評価・発展させる: 出てきたアイデアを評価し、実現可能性や魅力度などを検討します。さらに、既存のアイデアを組み合わせたり、別の視点から考えることで、より洗練されたアイデアへと発展させていきます。

デジタル化の波、市場の変化、競争環境の激化—企業は今、大きな変革の時を迎えています。株式会社Qualitegの Innovation-Crossは、その変革を共創の力で加速する支援プログラムです。企業の現状と課題を的確に分析し、外部との協業による革新創出の戦略を策定。オープンイノベーションやパートナー開拓を通じた新たな価値創造を包括的にサポートします。

アイデアワークショップ、ハッカソン企画、最先端AI技術の活用など、多彩なアプローチで御社の変革を推進。経験豊富な専門コンサルタントが伴走し、「自社内だけでは難しい」革新を外部との共創で実現し、企業の持続的な成長と競争力強化を実現します。

Creative Matrixのメリット

  • 多様な視点からアイデアを生み出せる: 既存の要素を組み合わせることで、思いつかなかったような斬新なアイデアを生み出すことができます。
  • アイデア出しがスムーズになる: マトリックスという枠組みがあることで、思考が整理され、アイデア出しがスムーズに進みます。
  • チームでの brainstorming に効果的: メンバー全員でマトリックスを共有することで、活発な議論を促し、より多くのアイデアを生み出すことができます。

活用事例

  • 新商品開発: 既存の商品と新しい技術を組み合わせることで、革新的な新商品を生み出す。
  • マーケティング戦略: ターゲット層とプロモーション方法を組み合わせることで、効果的なマーケティング戦略を立案する。
  • 問題解決: 問題点と解決策を組み合わせることで、最適な解決策を見つける。

さらに効果的な活用のためのヒント

  • 軸の設定が重要: テーマに関連する適切な軸を設定することで、より効果的なアイデア出しができます。
  • 自由な発想を心がける: マトリックスにとらわれず、自由に発想を広げることが重要です。
  • 他の brainstorming 手法と組み合わせる: ブレインストーミングやマインドマップなど、他のアイデア出し手法と組み合わせて活用することで、さらに効果を高めることができます。

Creative Matrixは、アイデアに行き詰まった時や、新しい視点が欲しい時に、非常に役立つツールです。ぜひ、活用して、創造性を発揮してみてください。

最後に

Creative Matrixはあくまでも思考の補助ツールです。大切なのは、自由な発想と柔軟な思考で、新しい可能性に挑戦していくことです。このフレームワークを活用して、ぜひ、あなたのアイデアを形にしてみてくださいね。


コラムを最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。私たちQualitegは、AI技術や新規事業の企画方法に関する研修およびコンサルティングを提供しております。もしご興味をお持ちいただけた場合、また具体的なご要望がございましたら、どうぞお気軽にこちらのお問い合わせフォームまでご連絡くださいませ。

また、新規事業創出のステップを体得したいという方にご好評のワークショップも実施しております。それぞれの担当者の方が役員目線で事業を考えるという点にフォーカスしたトレーニング内容となっており、企画担当者の方だけではなく、カウンターパートのエンジニア、デザイナー、マーケターの方にもご受講いただけるコンテンツとなっております。

Read more

NVIDIA GeForce RTX 50xx with CUDA capability sm_120 is not compatible with the current PyTorch installation. が発生したとき

NVIDIA GeForce RTX 50xx with CUDA capability sm_120 is not compatible with the current PyTorch installation. が発生したとき

こんにちは、PyTorch 2.6.0 環境で以下のような問題が発生したときの対処方法について解説いたします。 NVIDIA GeForce RTX 5090 with CUDA capability sm_120 is not compatible with the current PyTorch installation. The current PyTorch install supports CUDA capabilities sm_50 sm_60 sm_70 sm_75 sm_80 sm_86 sm_90. 他のBlackwell GeForce の場合は以下のようなメッセージとなります。 NVIDIA GeForce RTX

By Qualiteg プロダクト開発部
OpenCV cv2.imwrite で発生する「_img.empty()」エラーと「動画安定化」による解決法

OpenCV cv2.imwrite で発生する「_img.empty()」エラーと「動画安定化」による解決法

こんにちは! 画像処理や動画解析の現場で広く利用されている OpenCV。 しかし実務で動画処理を行っていると、時折以下のようなエラーに遭遇することがあります。 cv2.error: OpenCV(4.11.0) /io/opencv/modules/imgcodecs/src/loadsave.cpp:929: error: (-215:Assertion failed) !_img.empty() in function 'imwrite' このエラーは、cv2.imwrite() に渡された画像が空(None またはサイズ0) の場合に発生します。 一見単純に見える問題ですが、背後には「入力動画の不安定さ」や「並列処理の競合」といった要因が潜んでいることが少なくありません。 本記事では、このエラーの発生原因を掘り下げ、実務で効果のある解決策として 「動画の安定化(正規化)」 を紹介します。 TL;

By Qualiteg プロダクト開発部
発話音声からリアルなリップシンクを生成する技術 第5回(前編):Transformerの実装と実践的な技術選択

発話音声からリアルなリップシンクを生成する技術 第5回(前編):Transformerの実装と実践的な技術選択

こんにちは!リップシンク技術シリーズもいよいよ終盤となりました。 前回(第4回)では、LSTMの学習プロセスと限界について詳しく解説しました。限られたデータでも効果的に学習できるLSTMの強みを理解する一方で、長距離依存の処理に限界があることも明らかになりました。そして、この問題を解決する革新的なアプローチとして、すべての位置の情報を同時に参照できるTransformerのSelf-Attention機構を紹介しました。 第5回の今回は、 Transformerの具体的なネットワーク設計から始め、その実装上の課題を明らかにします。(前編※) そして、LSTMとTransformerの長所を組み合わせたハイブリッドアプローチを紹介し、実際の製品開発における技術選択の指針を示します。最後に、感情表現への拡張という次なる挑戦についても触れていきます。(後編※) ※Transformerの仕組みは複雑であるため、第5回は前編と後編に分けて解説させていただく予定です。 1. Transformerベースのネットワーク設計 1.1 全体アーキテクチャ図 では、さっそく、Tran

By Qualiteg 研究部, Qualiteg コンサルティング
大企業のAIセキュリティを支える基盤技術 - 今こそ理解するActive Directory 第2回 ドメイン環境の構築

大企業のAIセキュリティを支える基盤技術 - 今こそ理解するActive Directory 第2回 ドメイン環境の構築

こんにちは、今回はシリーズ第2回ドメイン環境の構築 - 検証環境の構築手順について解説いたします! 連載の構成 第1章:基本概念の理解 - Active DirectoryとKerberos/NTLM認証の基礎 【★今回です★】第2章:ドメイン環境の構築 - 検証環境の構築手順 第3章:クライアントとサーバーのドメイン参加 - ドメイン参加の詳細手順 第4章:プロキシサーバーと統合Windows認証 第5章:ブラウザ設定と認証 - 各ブラウザでの設定方法 第6章:トラブルシューティング - よくある問題と解決方法 第7章:セキュリティとベストプラクティス - 本番環境での考慮事項 第8章:実践的な構成例 - AIセキュリティツールとの統合事例 第2章:ドメイン環境の構築 2.1 ドメイン名の設計 2.1.1 ドメイン名の命名規則 Active Directoryを構築する際、

By Qualiteg コンサルティング