Gemini 2.5 Pro/Flashにおけるマルチモーダルトークン(画像のトークン数、動画のトークン数など)計算ガイド

Gemini 2.5 Pro/Flashにおけるマルチモーダルトークン(画像のトークン数、動画のトークン数など)計算ガイド
Photo by Towfiqu barbhuiya / Unsplash

こんにちは!

本日は、Gemini 2.5 ProおよびGemini 2.5 Flashを使用する際、料金計算やコンテキストウィンドウの管理において、トークン数の正確な把握は非常に重要です。本記事では、画像、動画、音声といったマルチモーダルコンテンツのトークン計算方法について詳しく解説します。

基本概念:トークンとは

Gemini 2.5シリーズにおいて、1トークンは約4文字に相当し、100トークンは約60-80語(英語)に相当します。すべての入力と出力はトークン単位で処理され、課金もトークン数に基づいて行われます。

Gemini 2.5シリーズのモデルと料金

利用可能なモデル

  • Gemini 2.5 Pro: 高度な推論能力を持つフラグシップモデル
  • Gemini 2.5 Flash: コスト効率に優れた高速モデル
  • Gemini 2.5 Flash Image: 画像生成専用モデル

コンテキストウィンドウ

両モデルとも1,000,000トークンの大規模なコンテキストウィンドウを提供します。

料金体系(プレビュー段階)

モデル 入力料金 出力料金
Gemini 2.5 Pro $4/100万トークン $20/100万トークン
Gemini 2.5 Flash $0.30/100万トークン $2.50/100万トークン
Gemini 2.5 Flash Image - 1画像あたり1290トークン(約$0.039)

画像のトークン計算

動的タイリングシステム

Gemini 2.5シリーズでは、画像サイズに応じた動的なタイリングシステムを採用しています。

小さい画像(384ピクセル以下)

  • 両方の寸法が384ピクセル以下の画像:258トークン固定

大きい画像(384ピクセル超)

  • 768×768ピクセルのタイルに分割
  • 各タイル:258トークン
  • 総トークン数 = タイル数 × 258

実装例

from google import genai

client = genai.Client()
prompt = "この画像について説明してください"

# 画像ファイルをアップロード
image_file = client.files.upload(file="sample_image.jpg")

# トークン数をカウント
token_count = client.models.count_tokens(
    model="gemini-2.5-flash",
    contents=[prompt, image_file]
)
print(f"総トークン数: {token_count}")
# 例: 小さい画像の場合 → total_tokens: 263(テキスト5 + 画像258)

タイル数の計算方法

def calculate_image_tokens(width, height):
    if width <= 384 and height <= 384:
        return 258
    else:
        tiles_width = (width + 767) // 768
        tiles_height = (height + 767) // 768
        return tiles_width * tiles_height * 258

重要なポイント

  • File APIでアップロードした画像とインラインデータとして提供した画像で、トークン数は同じ
  • 画像の解像度に応じてトークン数が変動するため、事前の確認が重要

動画のトークン計算

固定レート方式

動画は時間ベースの固定レートでトークン化されます。

レート:1秒あたり263トークン

計算例

import time
from google import genai

client = genai.Client()
prompt = "この動画の内容を要約してください"

# 動画ファイルをアップロード
video_file = client.files.upload(file="sample_video.mp4")

# 動画処理の完了を待つ
while video_file.state.name != "ACTIVE":
    print("動画を処理中...")
    time.sleep(5)
    video_file = client.files.get(name=video_file.name)

# トークン数をカウント
token_count = client.models.count_tokens(
    model="gemini-2.5-flash",
    contents=[prompt, video_file]
)
print(f"総トークン数: {token_count}")

動画長とトークン数の関係

動画の長さ トークン数
1秒 263
10秒 2,630
1分 15,780
5分 78,900

音声のトークン計算

固定レート方式

音声も時間ベースの固定レートでトークン化されます。

レート:1秒あたり32トークン

音声長とトークン数の関係

音声の長さ トークン数
1秒 32
10秒 320
1分 1,920
5分 9,600

実践的な使用例:使用メタデータの活用

generate_contentを呼び出した後、usage_metadataから詳細なトークン情報を取得できます。

response = client.models.generate_content(
    model="gemini-2.5-flash",
    contents=[prompt, media_file]
)

# 詳細なトークン情報を取得
metadata = response.usage_metadata
print(f"入力トークン: {metadata.prompt_token_count}")
print(f"出力トークン: {metadata.candidates_token_count}")
print(f"総トークン数: {metadata.total_token_count}")

# キャッシュトークンの取得(利用可能な場合)
if hasattr(metadata, 'cached_content_token_count'):
    print(f"キャッシュトークン: {metadata.cached_content_token_count}")

# 思考トークンの取得(思考モデルを使用している場合のみ)
if hasattr(metadata, 'thoughts_token_count'):
    print(f"思考トークン: {metadata.thoughts_token_count}")

コスト最適化のベストプラクティス

1. 事前のトークン数確認

# generate_contentを呼ぶ前にトークン数を確認
estimated_tokens = client.models.count_tokens(
    model="gemini-2.5-flash",
    contents=contents
)
if estimated_tokens > threshold:
    # コンテンツを調整または警告を表示
    pass

2. 画像の最適化

  • 不必要に大きい画像は避ける(タイル数が増えるため)
  • 384ピクセル以下の画像は258トークン固定なので、小さいサムネイルで十分な場合は活用

3. 動画・音声の長さ管理

  • 動画:必要な部分のみを切り出して使用
  • 音声:動画より効率的(同じ1秒で32トークン vs 263トークン)

4. コンテキストキャッシング

Gemini 2.5シリーズでは、コンテキストキャッシングを活用することでトークン使用量を削減できます。キャッシュされたトークンは通常の半額で課金されます。

5. モデルの使い分け

  • 複雑なタスク:Gemini 2.5 Pro
  • 高速処理が必要な場合:Gemini 2.5 Flash
  • コスト重視:Gemini 2.5 Flash(Proの約1/7の入力コスト)

まとめ

Gemini 2.5 Pro/Flashのマルチモーダルトークン計算は以下のルールに従います。

  • 画像: 384px以下は258トークン、それ以上はタイル数×258トークン
  • 動画: 1秒あたり263トークン
  • 音声: 1秒あたり32トークン
  • コンテキストウィンドウ: 両モデルとも100万トークン

これらの計算方法を理解することで、APIの使用コストを予測し、コンテキストウィンドウを効率的に管理できます。特に大規模なマルチモーダルアプリケーションを開発する際は、事前のトークン数確認とコンテンツの最適化が重要です。

参考リンク

より詳細な情報については、Gemini API公式ドキュメントをご参照ください。

関連情報

・OpenAI GPTシリーズの画像トークン消費量計算

【OpenAI API】Vision対応LLMの画像トークン消費量計算法 2025年最新版
こんにちは! OpenAIのVision対応(つまり画像も入力できるLLM)モデルは、画像をトークンに変換する際に2つの異なる計算方式を採用しています。 最新のGPT-5系列やGPT-4.1系列では、従来のタイル方式とは異なるパッチベース方式が導入されました。この変更により、画像処理の効率性が大幅に向上し、より細かな制御が可能になっています。 2つの計算方式の違い OpenAIは現在、パッチベース方式とタイルベース方式という2つの計算方法を並行して運用しています。 パッチベース方式は、GPT-4.1-mini、GPT-4.1-nano、GPT-5-mini、GPT-5-nano、o4-miniといった新世代モデルで採用されています。この方式では画像を32×32ピクセルという非常に小さなパッチに分割します。従来のタイル方式が512×512ピクセルだったことを考えると、約256分の1のサイズで処理することになり、より精密な画像理解が可能になりました。 一方、GPT-4o、GPT-4.1、GPT-5、o1、o3などの主力モデルは引き続きタイルベース方式を採用しています。こちらは

・Anthropic Claudeシリーズの画像トークン消費量計算

Claude 4.5 APIにおける画像入力のトークン数計算と最適化ガイド
こんにちは! 今回は、Claude 4.5 sonnet/haiku、Claude 4.1 OpusをAPIからつかうときの画像のトークン数計算方法について詳しく解説します。 画像トークン数の計算方法 Claude 4.5 APIに送信する画像は、テキストと同様にトークンとしてカウントされ、料金計算の基礎となります。画像がAPIのサイズ制限内でリサイズ不要な場合、以下の簡単な計算式でトークン数を推定できます。 基本計算式 トークン数 = (横幅px × 縦幅px) ÷ 750 この計算式を使用することで、アップロード前にコストを予測し、必要に応じて画像を最適化することが可能になります。例えば、1000×1000ピクセルの画像は約1334トークンを消費し、Claude 4.5の料金体系では、画像1枚あたりのコストを事前に計算できます。1092×1092ピクセル(1.19メガピクセル)の画像であれば約1590トークンとなり、これを基準にバッチ処理のコストも見積もることが可能です。 画像サイズの制限と最適化 Claude 4.5 APIには画像サイズに関するいくつかの重要な

Read more

ゼロから作るコーディングエージェント【第2回】完了は「作った」ではなく「動いた」で決める。完了の門と、押し戻しに書くこと

ゼロから作るコーディングエージェント【第2回】完了は「作った」ではなく「動いた」で決める。完了の門と、押し戻しに書くこと

モデルの「完了しました」は5つの形ですり抜けました。構文検査だけ、テストは通るが動かない、待ち受けは立つが最初の要求で落ちる、起動するが仕様のAPIが無い、assertの無いテスト。完了の門を3段で閉じる設計と、押し戻しに「落ちた行と調べ方」を書いて「答え」を書かない理由を、数字つきで書きます。

By Qualiteg プロダクト開発部
「Blackwell」は 1 つではなかった。NVIDIA の Compute Capability 番号のわかりにくさを整理する

「Blackwell」は 1 つではなかった。NVIDIA の Compute Capability 番号のわかりにくさを整理する

こんにちは! NVIDIA の GPU を扱っていると、sm_120 や sm_100 といった番号を見かけます。Compute Capability と呼ばれる番号です。 この番号、製品の世代名と対応しているように見えて、実はずれています。 きっかけは、2026年9月23日に公開された TensorRT-LLM の v1.3.0rc28 でした。リリースノートに「SM107」という記述があります。次世代の Rubin に対応した、という文脈です。 ここで引っかかります。Blackwell の GeForce は sm_120 です。次の世代の Rubin が、なぜ 107 という小さい番号なのでしょうか。 調べてみると、引っかかりの原因は Rubin ではありませんでした。

By Qualiteg プロダクト開発部